日野【デュトロ】が頻繁にエンジンチェックランプとスパナマークが点灯するという事で、NOxセンサー2個を交換した修理をご紹介します。
メーターにチェックランプが点灯すると、どうしたらいいのか心配になりますよね。
この故障の症状でよくあるのが、エンジンを再始動するとチェックランプが消えて、走行するといつの間にか点灯するを繰り返します。
2KGの型式に変わってから、SCR触媒が付いてNOxセンサーが2個付きになりました。
日野のNOxセンサーは、以前からトラブルがすごく多いです。
チェックランプが消えるからといって放置しないで下さい。
とはいえ、トラックの修理費用ってすごく高いですよね。
自分で修理が出来るなら部品代だけで済みますが、無理は禁物です。
自分で修理が出来ない場合は、車屋さんに依頼して下さいね。
車屋さんにも修理の参考にして頂けたら嬉しいです。
整備士歴27年の私が、皆さんのお役に少しでも立てればと思いこの記事を書きました。
↓以前のNOxセンサー1個付きはこちら↓
修理対象車両情報・依頼内容・修理費用
修理対象車両情報:日野 デュトロ 2KG-XZU700X N04C H30/01 144000km
依頼内容:頻繁にエンジンチェックランプとスパナマークが点灯する。
修理費用:162000円+税
依頼内容の修理費用は高いですか?それとも安いですか?
なぜ、このような金額になるのかを作業内容や修理方法を交えて解説していきたいと思います。
車両故障診断
お客様のお話では、以前は時々エンジンチェックランプとスパナマーク点灯していたそうです。
エンジンを再始動すると、ランプは消えるそうです。
現在では、頻繁(ほぼ毎日)に点灯するようになった様です。
お客様の所まで車両の引取に来ました。
エンジンを始動すると、エンジンチェックランプとスパナマークが点灯していません。
車両回送中にチェックランプが点灯しました。
それでは、状況確認します。
エンジン始動中に、エンジンチェックランプとスパナマークが点灯しています。
エンジンを停止するとチェックランプが消えてしまうので、このまま診断していきます。
スキャンツール(診断機)で故障コードを確認します。
普段使用しているスキャンツール(診断機)
作業する上で必ず必要になるのがスキャンツール(診断機)ですね。これがなければ始まりません。
バッテリーを外して消去(出来るか分かりません)などはしない様にして下さい。
トラブルの原因になりますのでスキャンツールを使用しましょう。
GAMが使用しているのはG-SCN2でしたが、【G-SCN Z】を導入しました。
やはり、コード付の方が準備も早く充電の必要がないので一番のオススメです!!
↓イチオシ!今使用しているコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
車種により相性が良くない事もあるので、メーカー違いで【バンザイ MST-nano】も使用しています。
↓無線接続できるのでコードが気にならない↓
↑Windows OS搭載スキャンツール!OBD検査にも対応↑
両方使用した個人的な感想は、故障診断がメインなら断然コード付【G-SCN Z】がオススメです。
【バンザイ MST-nano】も無線で便利なのですが、準備に少し手間がかかるのとデータ表示にタイムラグがある為、GAMの所では故障診断にも使いますが主にOBD検査時に使用する予定です。
2KGデュトロ【OBDコネクター位置】
2KGデュトロのOBDコネクタ位置は、このようになっています。
ステアリングシャフト右側にあります。
ここにスキャンツール(診断機)のカプラーをOBDコネクタにつなぎます。
故障コードの確認
スキャンツール(診断機)を使用して故障コードを確認します。
P2218:NOx センサーヒーター故障(SCR下流)
P2205:NOx センサーヒーター故障(SCR上流)
の故障コードが出ていますね。
↓ダイアグコードの詳しい内容はこの記事を読んで下さいね↓
↑2KG【デュトロ】エンジンダイアグノーシス(故障コード・DTC)一覧【まとめ】↑
作業内容・修理方法・原因
一度、故障コードを消去します。
消去する時は、出ていた故障コードを写真やメモなどに記録してから消去してください。
どうしてもダメな時、メーカーさんに問い合わせする時に役立ちますので必ず記録します。
故障コードは消去できました。
エンジンを再始動しても、故障コードは出ていません。
どちらのセンサーが故障しているか、試運転して確認します。
しばらく走っていると、エンジンチェックランプが点灯しました。
P2218:NOx センサーヒーター故障(SCR下流)が出ています。
下流NOxセンサーだけでいけるかと思った矢先に、P2205:NOx センサーヒーター故障(SCR上流)も表示されました。
まさかの両方とも故障です…。
原因
故障コードから見て、NOxセンサーの故障で間違いないですね。
前の型式の1つ付きのNOxセンサーも故障が多かったのですが、この型式もダメなようです。
2KGデュトロには、この様なSCR触媒が付いています。
この型式から、NOxセンサーが上流と下流で2個付きになりました。
2KGデュトロ【NOxセンサー】場所
それでは、NOxセンサーの場所を見ていきましょう。
これは、車両の斜め下から見た状態です。
NOxセンサーが付いている場所を、簡単に説明するとこんな感じです。
赤い矢印が車両前方になります。
No.1が上流NOxセンサーになり、No.2が下流NOxセンサーです。
これは、部品屋さんから貰った部品図です。
赤い矢印が車両前方になります。
No.1が上流NOxセンサーになり、No.2が下流NOxセンサーです。
後で、実際に付いている場所を説明します。
新品NOxセンサー
これが、新品NOxセンサーです。
上流NOxセンサー、下流NOxセンサーともに同じ物が付いています。
【NOxセンサー】純正部品番号:89463-E0013 定価65000円
↓【NOxセンサー】優良新品部品↓
↑部品屋さんが優良部品とされているものです↑
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↑純正部品の1/3価格です↑
ご参考にして頂ければと思います。
NOxセンサー配線クランプ
NOxセンサー配線を固定するクランプです。
GAMはよく再使用しますが、破損しやすいのでNOxセンサーとセットで交換をおすすめします。
↓NOxセンサー配線クランプ↓
↑純正部品番号:S8271-13030↑
使われているクランプの数は、上流NOxセンサー(No.1)4本・下流NOxセンサー(No.2)4本になります。
それでは、下流NOxセンサーを交換していきましょう。
下流NOxセンサー(No.2)交換
下流NOxセンサーの交換は、上流NOxセンサーの交換時に比べて手間がかかる作業になります。
矢印の先にあるこれが、下流NOxセンサーです。
矢印の先、カバーの裏側にあるのが下流NOxセンサーコントローラーです。
カバーを外すとよく分かりますね。カプラーが外れているのが下流NOxセンサーコントローラーです。
下流NOxセンサーは22mmの工具を使用して取外します。
これが、すごく固くて簡単に外れません。無理に外そうとするとカジって困る事があります。
一度、カジるとネジ山を修正するタップが必要になります。
↓これ使えます!O2センサー専用タップ↓
↑持ってて安心!ネジ山の掃除にも使えます↑
GAMは、取外す前にナット側(マフラー)をガスで炙ってから水で冷却、あとは潤滑剤を塗ってから取外します。こうする事で、カジらずスムーズにセンサーを取外す事ができます。
22mmのクローフットレンチを使用して取外しました。
↓GAMがよく使用する工具はこちら↓
↑アストロプロダクツ:22mmクローフットレンチ↑
↓メーカー推奨工具はこちら↓
↑コーケン:22mm O2センサーソケット↑
下流NOxセンサーを取外しました。
下流NOxセンサーを外す為に取外した部品です。
取り外したNOxセンサーと新品を並べて、クランプの位置にペイントマーカーで印を付けます。
新品のクランプを用意していれば、取外さなくていいので作業時間が短縮できます。
↓NOxセンサー配線クランプ↓
↑純正部品番号:S8271-13030↑
赤丸の部分、マフラーに下流NOxセンサーを取付けします。
締付けトルク:50±10N.m(510±102kgf.cm)
センサーを外す時に固かったら、必ず専用ダイスでネジ山を修正してからセンサーを取付けて下さい。※修正せずに取付けすると、新品部品のネジ山を破損させる恐れがあります。
赤矢印の先、クランプも元通りに取付けします。
取外した部品を元通りに復元出来れば、下流NOxセンサー交換完了になります。
次は上流NOxセンサー交換をします。
上流NOxセンサー(No.1)交換
上流NOxセンサーの交換は、下流NOxセンサーの交換時に比べてやり易い作業になります。
矢印の先にあるこれが、上流NOxセンサーです。
↓メーカー推奨工具はこちら↓
↑コーケン:22mm O2センサーソケット↑
矢印の先、カバーの裏側にあるのが上流NOxセンサーコントローラーです。
カバーを外すとよく分かりますね。これが、上流NOxセンサーコントローラーです。
上流NOxセンサーを取外しました。
上流NOxセンサーを外す為に取外した部品です。
上が新品NOxセンサーで、下が取外した上流NOxセンサーです。
取り外したNOxセンサーと新品を並べて、クランプの位置にペイントマーカーで印を付けます。
↓1本あれば安心ですね↓
↑中字の白色が使いやすいですよ↑
↓NOxセンサー配線クランプ↓
↑純正部品番号:S8271-13030↑
マフラーに上流NOxセンサーを取付けします。
締付けトルク:50±10N.m(510±102kgf.cm)
センサーを外す時に固かったら、必ず専用ダイスでネジ山を修正してからセンサーを取付けて下さい。※修正せずに取付けすると、新品部品のネジ山を破損させる恐れがあります。
↓これ使えます!O2センサー専用タップ↓
↑持ってて安心!ネジ山の掃除にも使えます↑
取外した部品を元通りに復元出来れば、上流NOxセンサー交換完了になります。
作業終了後の試運転
診断時にエンジンチェックランプが点灯した時と同じコースを走行しました。
チェックランプの点灯もなく問題ありませんでした。
最終、スキャンツールで故障コードの確認をしても問題ありません。
これですべての作業完了になります。お疲れさまでした。
この記事を参考に作業する上での注意点
この記事は、整備書にない手順・方法や私自身のオリジナル修理・整備方法なども書いておりますので作業される場合はすべて自己責任なりますので注意してください。
参考修理費用・部品価格
部品価格:NOxセンサー 65000円×2
部品価格:合計 130000円
作業工賃:故障診断・診断機使用 8000円
NOxセンサー交換 24000円
作業工賃:合計 32000円
参考価格:部品価格+作業工賃=合計 162000円+税です。
今回紹介した工具・用品のまとめ
↓イチオシ!今使用しているコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
↓無線接続できるのでコードが気にならない↓
↑Windows OS搭載スキャンツール!OBD検査にも対応↑
↓【NOxセンサー】優良新品部品↓
↑部品屋さんが優良部品とされているものです↑
↓【NOxセンサー】超激安!!社外新品部品↓
↑純正部品の1/3価格です↑
↓NOxセンサー配線クランプ↓
↑純正部品番号:S8271-13030↑
↓今回、使用した工具になります↓
↓これ使えます!O2センサー専用タップ↓
↑持ってて安心!ネジ山の掃除にも使えます↑
↓GAMがよく使用する工具はこちら↓
↑アストロプロダクツ:22mmクローフットレンチ↑
↓メーカー推奨工具はこちら↓
↑コーケン:22mm O2センサーソケット↑
↓1本あれば安心ですね↓
↑中字の白色が使いやすいですよ↑
GAMの記事はいかがでしたか?
皆さんのお役に少しでもたてましたか??
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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