このような疑問にお答えしたいと思います。
エアコン修理の原因はいろいろありますが、今回の故障原因は【エキパン】です。
トラックの修理費用ってすごく高いですよね。
自分で修理したら部品代だけで修理できますからね。
車屋さんにも整備の参考にして頂けたら嬉しいです。

整備士歴26年の私が、皆さんのお役に少しでも立てればと思いこの記事を書きました。
修理対象車両情報・依頼内容・修理費用
それでは、最初に皆さんが一番知りたい修理費用から説明します。
修理対象車両情報:イスズ エルフ TKG-NKR85AN 4JJ1
依頼内容:エアコンが効かない(エキパン交換)
修理費用:68640円+税

依頼内容の修理費用は高いですか?それとも安いですか?
なぜ、このような金額になるのかを作業内容や修理方法を交えて解説していきたいと思います。
修理依頼内容
それでは、車両の状況をお客様から聞き取りをしていきます。

エアコンが全然涼しくないんで修理してください。
以上がお客様からの聞き取り状況になります。

それでは、診断をしていきたいと思います。

車両故障診断・原因
まず、エンジンをかけてエアコンの状態を確認します。
コンプレッサー・・・直ぐに止まる
電動ファン・・・回っている
低圧配管温度・・・冷たくも熱くもない常温ぐらい
高圧配管温度・・・熱くも冷たくもない常温ぐらい
※配管温度はエキパンに近い配管(キャビンから出てる直ぐの配管)
次にマニホールドゲージをつないでガス圧の確認。

低圧・・・高い 標準圧0.2MPa位
高圧・・・高い 標準圧1.5MPa位
ガス圧は標準より低圧・高圧ともにかなり高いです。
ガスの入れすぎかな?と思いクーラーガスを抜いてみますね。

コンプレッサーも止まらなくなり、ガス圧も問題ない様に見えますが・・・。

ガス窓から見ると泡立っていてガス量が全然足らない状態で、エアコンもほとんど効かない状態です。
ということは、クーラーガスを抜く前がガス量が適量になりますね。
どこかが詰まっていると思われます。

原因予測
配管内部か、エキパンでのつまりと仮定します。
過去にあったのがリキッドタンク(クーラーガスのフィルター)の活性炭がばらけて配管内部とエキスパンションバルブ(冷媒を霧状にする所)を詰まらせた状況に似ています。
この車は、リキッドタンクはコンデンサー(冷媒を冷やす所)の横にあり中身だけ交換できるタイプです。
交換予定部品
リキッドタンクカートリッジ・エキスパンションバルブ・各Oリング
車両整備・作業内容・修理方法

それでは、作業進めていきます。
まず、クーラーの配管内のガスを全部抜き取ります。

リキッドタンクカートリッジ交換します。

六角レンチで白いプラスチックの部品を取り外します。

かなり奥に入っているのでロングラジオペンチなどで取り出します。
幸いアルミ粉などは出ていない様なので安心しました。
もしアルミ粉が出ているとほぼ全交換しないといけないので・・・。

それでは、エキスパンションバルブを交換していきます。

各カバー類を外していきます。
このエルフはカバーの取り付けネジがトルクスが多数使用されています。
↓エルフの内張に多く使用されているトルクスネジを外す工具↓
↑トルクスドライバーは必須工具なので是非購入しましょう↑

このエルフはブロアーモーターケースを外すのが通常より手間がかかります。
ヘッドライトを外さないといけません。

この部分は特に注意してください。
コーナリングランプの取り付け部なのですがよく破損しますので細心の注意をしてほしいです。

ケースの取り付けボルトを外すとブロアーケースがとれるのですが・・・。

ケースにヘッドライトの配線などが通っています。

配線を外すのは手間がかかるのでブロアーケースを取り外さないで置いておきます。

エキスパンションバルブのカバーを取り外します。
爪が折れやすいので注意して外してください。

六角レンチでボルトを外します。

エキスパンションバルブを交換する時は、ついでにエバポレーター(熱交換器)も外して洗浄します。
サーミスター(温度センサー)のカプラーを外さないとエバポレーターが外れません。

カプラーと蓋を取り外します。

この様にカプラーを遊ばしておきます。

この部分がエバポレーターです。
ここが詰まるとエアコンの風量が著しく悪くなります。

外れた、エキスパンションバルブと配管です。

エバポレーターを取り外した後になります。

これが、エバポレーターです。
この車はかなり綺麗な方です。ひどい車だと完全に目詰まりしてるのもあります。

洗剤をかけて綺麗にします。
水切りと奥に詰まったゴミも綺麗に取れる便利なパルスガン(エアーガンの種類です)私の必須品です。

すっきりと綺麗になりました。

これが先程お話しした交換予定の部品です。

部品の組付けが終わりましたらクーラーガスを入れる準備をします。
真空ポンプを使って配管内の空気を抜きます。
私は大体15分ぐらい真空ポンプで抜いてから、マニホールドゲージのバルブを閉めて5分間置いて問題なければガスを入れていきます。
工具が無い方でしたら、マニホールドゲージと真空ポンプのセットで購入がお得ですね。

うちでは、クーラーガス・蛍光剤入りオイル・添加剤の3点セットで入れております。

低圧・高圧ともにベストな状態で、クーラーの効き具合も寒いぐらいです。

ガス窓の状態もたまに小さな気泡が出るくらいでとてもいい状態です。

冷媒充填量
350g±30gです。
原因確定
配管内・クーラーコンデンサーにつまりなどはありませんでした。
よって、エキスパンションバルブのつまりが原因で間違いないですね。
交換部品を見ていきます。

問題のエキスパンションバルブです。

目視で見る限りは特に問題があるようには見えません。

これですべての作業完了になります。お疲れさまでした。
この記事を参考に作業する上での注意点
この記事は、整備書にない手順・方法や私自身のオリジナル修理・整備方法なども書いておりますので作業される場合はすべて自己責任なりますので注意してください。
次に、今回の参考修理費用と部品金額になります。
参考修理費用・部品価格
部品価格:ドライヤーキット(リキタンカートリッジ) 3800円
エキパン 4780円
エキパンボルト 130円×2個
クーラーガス 1500円×2本
クーラーオイル(蛍光剤入)1800円
添加剤 4000円
マイナーパーツ(Oリング込)3000円
部品価格:合計 20640円
作業工賃:故障診断・各カバー脱着・エキパン交換・エバポレーター脱着・各配管清掃一式 35000円
ドライヤーキット交換 5000円
真空引き・ガスチャージ 8000円
作業工賃:合計 48000円
参考価格:部品価格+作業工賃=合計 68640円+税です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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