布チェーンで凍結路の高速道路は走れる?規制対応と寿命の真実
こんにちは。【自動車整備士】GAMの頭の中、運営者の「GAM」です。
冬のドライブシーズンが近づくと、特にスタッドレスタイヤを持っていない方や、急な積雪に備えたい方からよく相談を受けるのが、布チェーンに関する話題です。
特に、布チェーンを装着して凍結路や高速道路を安全に走れるのか、気になっている方は多いのではないでしょうか。
軽量で扱いやすいと評判のオートソックをはじめとする布製タイヤチェーンですが、実際に高速道路のチェーン規制に対応しているのか、乾燥路面を走ると寿命や走行可能距離はどうなるのか、といった不安の声もよく耳にします。
この記事では、以下の4つのポイントについて詳しく解説します。
- 布製タイヤチェーンが高速道路のチェーン規制で認められる条件と実際の運用
- 凍結路やアイスバーンにおける布チェーンの性能限界と安全な走り方
- 金属や非金属チェーンと比較した際のメリットおよびデメリット
- 乾燥路面やトンネル走行時における摩耗対策と寿命を延ばすコツ
布チェーンは凍結路の高速道路でも規制OK?

- オートソックなどの製品はチェーン規制に対応か
- アイスバーンで滑る?雪道での効果と限界
- 金属や非金属チェーンとの性能比較
- 付け方は簡単?ジャッキアップ不要のメリット
- 輸入車などクリアランスが狭い車の活用法
最近の布製タイヤチェーンは性能が向上しており、以前に比べて信頼性が高まっていますが、「高速道路のチェーン規制時に使えるのか?」という点は、ドライバーにとって最も切実な問題です。
このセクションでは、法的な規制適合性の詳細な条件と、実際の凍結路面で布製チェーンがどのような挙動を示すのか、整備士としての経験と物理的な特性に基づいて深く掘り下げて解説していきます。
オートソックなどの製品はチェーン規制に対応か

結論から申し上げますと、現在市場に出回っている主要な布製タイヤチェーンの多くは、日本の高速道路における「チェーン規制」に対応しています。
ただし、道路管理者や区間ごとの運用、さらには車種によっては布製チェーンでの通行が制限されたり、通行できない可能性が明記されている場合もあるため、実際に使用する前に最新の情報や車両取扱説明書を確認しておくことが重要です。
しかし、ユーザーの中には「布なんてただのカバーでしょ?本当に警察に止められないの?」と不安を感じている方も少なくありません。
この疑問を解消するために、まずは規制の背景と法的根拠について詳しく見ていきましょう。
2018年のチェーン規制改定と「布製」の位置づけ
2018年12月、国土交通省は大雪時の立ち往生を防ぐためにチェーン規制の運用方針を大きく見直しました。
この際、新しい「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」という標識が導入され、特定の区間ではスタッドレスタイヤを履いていてもチェーンを装着しなければ通行できないというルールが明確化されました。
ここで重要なのが、「何をもってタイヤチェーンとするか」という定義です。
国土交通省が公開している公式Q&A資料では、チェーンの種類として以下の3つが明記されています。
このように、「布製カバータイプ」も国が認めるタイヤチェーンの一種として正式にリストアップされています(出典:国土交通省『チェーン規制Q&A』)。
つまり、法的には「布だからダメ」ということは一切なく、金属チェーンと同様の通行権を持っているのです。
「対応品」と「非対応品」を見分けるポイント
ただし、ここには一つ落とし穴があります。
インターネット通販などで「滑り止めカバー」として販売されている安価な類似品の中には、十分な性能を持たず、チェーンとして認められない粗悪品も混じっている可能性があるということです。
安心して高速道路を走行するためには、以下の基準を満たしている製品を選ぶことが必須です。
| チェック項目 | 詳細 |
|---|---|
| JASAA認定 | JASAA認定 一般財団法人日本自動車交通安全用品協会の厳しい基準をクリアしたタイヤチェーン(主に金属チェーンや非金属チェーン〔ウレタン・ゴム系〕)に付与される認定。パッケージに認定マークがあります。布製チェーンにはこの認定マークがない製品もありますが、認定マークがある製品であれば性能の一つの目安になります。 |
| 海外規格認証 | 欧州の標準化委員会(CEN)が定める「EN16662-1」や、オーストリアの規格「ÖNORM V5121」などを取得しているもの。AutoSockなどが該当します。 |
| 自動車メーカー純正採用 | トヨタ、日産、ホンダ、BMW、VWなど、主要メーカーが純正アクセサリーとして採用しているモデル。 |
特に「AutoSock(オートソック)」は、布製チェーンのパイオニアであり、世界中の自動車メーカーに純正採用されている実績があるため、現場の検査員や警察官も「これはチェーンである」と認識しているケースがほとんどです。
現場でのトラブルを避けるための心得
法的にOKであっても、現場で誘導を行う係員の方全員がすべての製品知識を持っているとは限りません。
稀にですが、「布製?見たことがないからダメだよ」と誤った判断をされそうになったという話も聞きます。
そうした万が一の事態に備えて、私は以下の対策を強くおすすめしています。
正規の製品を使っていれば、堂々と主張して問題ありません。
布製チェーンは、正しく選べば法的な通行パスポートとして十分に機能するのです。
↓乗り心地を損なわない布タイプで、振動も少なくスムーズ走行↓
↑手洗いでお手入れ可能、再利用OKのエコでコスパ良しチェーン↑
アイスバーンで滑る?雪道での効果と限界

「規制に通るかどうか」と「実際に安全に走れるかどうか」は別の問題です。
特に、ユーザーが最も恐れているのが、路面が鏡のように磨き上げられた「アイスバーン(凍結路)」や「ミラーバーン」ではないでしょうか。
ここでは、布製チェーンがなぜグリップするのかというメカニズムから、物理的な限界点までを包み隠さず解説します。
繊維がグリップを生む「吸水メカニズム」
金属チェーンが硬い金属の爪で氷を物理的にガリガリと削って食い込むのに対し、布製チェーンのアプローチは全く異なります。
氷の上でタイヤが滑る主な原因は、氷そのものではなく、タイヤの圧力や摩擦熱によって氷の表面が溶けてできる「ミクロの水膜」にあります。
この水膜が潤滑油のように働き、タイヤをツルッと滑らせるのです。
布製チェーンの表面にある特殊な繊維は、この水膜を瞬時に吸収・除去する役割を持っています。
さらに、表面の毛羽立ちが雪や氷の微細な凹凸に引っかかることで、摩擦係数を高めます。
これを「摩擦学的(トライボロジー)アプローチ」と呼びます。
路面状況別パフォーマンス分析
私が実際にテストコースや雪道で試した経験に基づくと、布製チェーンの性能は路面状況によって以下のように変化します。
圧雪路(雪が踏み固められた道)
評価:◎(非常に優秀)
驚くほどグリップします。ノーマルタイヤでは全く進めないような圧雪路でも、グイグイと前に進むトラクション性能を発揮します。
横方向のグリップも比較的安定しており、一般的な雪道ドライブならノーマルタイヤに比べて大きく安心感が高まります。
スタッドレスタイヤには及ばない場面もありますが、「応急用装備」としては十分心強い性能です。
シャーベット状・濡れた雪道
評価:◯(良好)
水分の処理が得意なため、ベチャベチャした雪道でもハンドルを取られにくく、安定して走行できます。
ハイドロプレーニング現象のリスクも、ノーマルタイヤより軽減される傾向にあります。
完全凍結路(アイスバーン)
評価:△(過信は禁物)
ここが限界点です。
表面の水膜を除去しても、氷の本体に「爪」を立てるわけではないため、絶対的な制動力は金属チェーンに劣ります。
特に「磨かれた氷の上での急ブレーキ」や「凍結した急勾配の発進」では、タイヤが空転したり、止まりきれなかったりするリスクが高まります。
「止まれる」と「安全に止まれる」の違い
JAFなどの公的テストデータを見ても、布製チェーンはノーマルタイヤに比べれば劇的に制動距離を短縮します。
ノーマルタイヤが「全く止まれない・曲がれない」状態であるのに対し、布製チェーンは「なんとか制御できる」レベルまで性能を引き上げてくれます。
しかし、スタッドレスタイヤや金属チェーンと比較すると、やはり制動距離は伸びる傾向にあります。
時速40kmからの急ブレーキテストなどでは、数メートルから十数メートルの差が出ることがあります。
雪道においてこの「数メートル」は、追突するかしないかの運命を分ける距離です。
したがって、凍結路で布製チェーンを使用する場合は、「スタッドレスと同じ感覚」で走ってはいけません。
「あくまで応急処置であり、いつ滑り出してもおかしくない」という危機感を持ち、通常の3倍以上の車間距離を確保し、カーブの手前では直線部分で十分に減速しきる。
この基本動作を徹底することが、布製チェーンを安全に使いこなす唯一の条件です。
↓工具いらずで簡単取付、初めてのチェーンにも最適↓
↑TPU非金属チェーンで走行音が静か、乗り心地もしなやか↑
金属や非金属チェーンとの性能比較

タイヤチェーン市場には、大きく分けて「金属製」「非金属製(ゴム・ウレタン)」「布製」の3つの勢力が存在します。
それぞれに明確な個性があり、どれが一番優れているとは一概に言えません。
ユーザーのライフスタイルや車種によって「正解」が変わるからです。
ここでは、それぞれの特徴を多角的に比較し、あなたが選ぶべきチェーンを浮き彫りにします。
各タイプの詳細比較マトリクス
| 評価項目 | 布製チェーン | 金属チェーン | 非金属チェーン |
|---|---|---|---|
| 氷上グリップ力 | △〜◯ 摩擦力で対抗。限界は低い。 | ◎ 物理的に氷を砕く最強のグリップ。 | ◯〜◎ スパイクピンの数や配置による。 |
| 耐久性・寿命 | × 乾燥路に弱く、長距離走行には不向き。 | ◯ 丈夫だが、切れるときは切れる。 | ◎ 最も長持ちする傾向がある。 |
| 静粛性・振動 | ◎ ほぼ無音・無振動。乗り心地最高。 | × ガリガリという騒音と振動が激しい。 | ◯ 多少のゴツゴツ感はあるが許容範囲。 |
| 装着難易度 | ◎ 最速1〜2分。圧倒的に楽。 | ×〜△ 慣れと腕力が必要。寒い中では辛い。 | △ 製品によるが、力が必要なものも多い。 |
| 収納サイズ | ◎ Tシャツ程度。グローブボックスにも入る。 | ◯ 重いが、意外とコンパクトにはなる。 | × ハードケースが大きく、トランクを占領する。 |
| 価格相場 | 1万〜2万円 | 3千〜1万円 | 1.5万〜3万円 |
布製チェーンが圧倒的に優れている点:快適性
比較表から見えてくる布製チェーンの最大のメリットは、「快適性」と「収納性」です。
金属チェーンを装着して乾燥したトンネルを走った経験がある方なら分かると思いますが、あの「ガシャンガシャン」という凄まじい騒音と振動は、運転手の疲労を蓄積させるだけでなく、同乗者(特に子供や車酔いしやすい人)にとっても苦痛です。
時速30km程度しか出せないこともザラです。
対して布製チェーンは、装着していることを忘れてしまうほど静かです。
振動もほとんどなく、オーディオの音楽も普通に聞こえます。
この「ストレスフリーな移動」は、不慣れな雪道運転で緊張しているドライバーにとって、精神的な余裕を生む大きな武器になります。
金属チェーンが優れている点:絶対的な突破力
一方で、雪深い峠道や、アップダウンの激しいスキー場へのアクセス路など、「ここで止まったら終わり」というシビアな環境では、金属チェーンの信頼性が勝ります。
布製チェーンは深雪で空転すると摩擦熱で繊維が傷みやすいですが、金属チェーンは雪を掻き出しながら強引に進むことができます。
コストも安いため、「乗り心地は犠牲にしても、とにかく安く、確実に進みたい」という層には金属製が根強い人気を誇ります。
結論:どのタイプを選ぶべきか?
- 布製チェーンがおすすめな人:
- 金属・非金属チェーンがおすすめな人:
↓2本セットでこの価格、非常時の備えにも最適↓
↑雪道に強く取り付けもラク、冬の必需アイテム↑
↓工具いらずで簡単取付、初めてのチェーンにも最適↓
↑TPU非金属チェーンで走行音が静か、乗り心地もしなやか↑
付け方は簡単?ジャッキアップ不要のメリット

私が自動車整備士として多くのお客様に接する中で、タイヤチェーン購入の最大のハードルとなっているのが「装着への恐怖心」です。
「寒い中でうまく付けられるか不安」「説明書を読んでも分からない」という声は後を絶ちません。
布製チェーンの最大の革命は、この「装着のハードル」を極限まで下げたことにあります。
3ステップで完了する驚異の装着プロセス
従来のチェーン装着は、タイヤの裏側に手を回してフックを掛けたり、ゴムバンドを力いっぱい引っ張ったりと、一種の「格闘」でした。
しかし、布製チェーン(例:オートソック)の装着手順は、拍子抜けするほどシンプルです。
【手順詳細】
- 被せる: 駐車した状態で、タイヤの上半分に布チェーンを帽子のように被せます。ゴムが入っているので、タイヤの裏側までしっかりと引っ張り込みます。
- 半回転: 車を1メートルほど前進(または後退)させ、タイヤを半回転させます。これで、まだ被せていない部分が上にきます。
- 残りを被せる: 残っていた部分を同様に被せます。多少歪んでいても気にしなくて大丈夫です。走り出せば遠心力で勝手に中心に寄ってフィットします(セルフセンタリング機能)。
これだけです。ジャッキアップはもちろん不要ですし、特殊な工具も一切使いません。
慣れれば片側1分、両側合わせても3分以内で完了します。
これなら、突然の吹雪で視界が悪化した高速道路の路肩や、狭いチェーン脱着場でも、危険な外での作業時間を最小限に抑えることができます。
女性や高齢ドライバーにこそ推奨したい理由
金属チェーンや樹脂チェーンの中には、装着時にかなりの握力や腕力を必要とするものがあります。
特に新品の樹脂チェーンは硬く、極寒の中ではさらに硬化して、成人男性でも苦戦することがあります。
布製チェーンは全体が繊維素材なので、非常に柔軟で軽量(片側約1kg以下)です。
重いものを持ち上げる必要もなく、強い力でゴムを引っ張る必要もありません。
また、ホイールを金属フックで傷つける心配もないため、車を大切にしている方にも精神的な安心感があります。
「私にもできた!」という成功体験は、雪道運転のパニックを防ぐ上でも非常に重要です。
唯一の注意点:事前練習はやはり必要
いくら簡単とはいえ、ぶっつけ本番はおすすめしません。
タイヤハウス(タイヤと車体の隙間)の狭い車の場合、奥まで手を入れる感覚を掴んでおく必要があるからです。
晴れた日に一度、軍手をして自宅の駐車場で「試し履き」をしておきましょう。
一度やっておけば、現場での心の余裕が全く違います。
↓工具いらずで簡単取付、初めてのチェーンにも最適↓
↑TPU非金属チェーンで走行音が静か、乗り心地もしなやか↑
輸入車などクリアランスが狭い車の活用法

最近の自動車デザインのトレンドとして、大径ホイールと薄いタイヤを装着し、タイヤとフェンダーの隙間(クリアランス)をギリギリまで詰めたスタイリッシュな車両が増えています。
特にBMW、メルセデス・ベンツ、アウディなどの輸入車や、国産のスポーツカー、あるいはプリウスのような燃費重視の低車高モデルでは、この傾向が顕著です。
「チェーン装着不可」の車を救う有力な選択肢
こうした車両の取扱説明書を見ると、「タイヤチェーン装着不可」と書かれていることがあります。
これは、タイヤの裏側にサスペンションの部品やブレーキホース、ABSセンサーなどの重要部品が迫っており、金属チェーンの鎖(通常10mm〜15mm程度の厚みがある)が回転した際にこれらに接触し、断線や破損を引き起こすリスクがあるためです。
しかし、チェーン規制区間では「チェーン不可の車だから」という言い訳は通用しません。
そこで唯一の解決策となるのが布製チェーンです。
【なぜ装着できるのか?】
布製チェーンの厚みはわずか数ミリ程度です。また、遠心力で膨らむといっても、金属チェーンのように硬い物体が暴れるわけではありません。
そのため、タイヤと車体の隙間が「指一本分(約2cm)」程度あれば、物理的に装着して走行することが可能です。
欧州メーカー純正採用の実績が証明する安全性
布製チェーンの信頼性を裏付ける事実として、多くの欧州自動車メーカーが純正アクセサリーとして採用している点が挙げられます。
例えばBMWやフォルクスワーゲン、ボルボなどは、自社の車両開発段階でオートソックなどの装着テストを行っています。
これは、「精密なセンサー類が集中する最新の輸入車において、金属チェーンよりも布製チェーンの方が車両への攻撃性が低く、安全である」とメーカー自身が判断している証拠です。
ホイールのリムを傷つけないという点も、高価なアルミホイールを履く輸入車オーナーにとっては見逃せないメリットでしょう。
↓乗り心地を損なわない布タイプで、振動も少なくスムーズ走行↓
↑手洗いでお手入れ可能、再利用OKのエコでコスパ良しチェーン↑
布チェーンで凍結路の高速道路を走る注意点

- 乾燥路面を走ると寿命や走行距離はどうなる
- 長いトンネル走行時の摩耗対策と着脱
- 速度超過は厳禁!50km以下の走行ルール
- 評判や口コミから見る実際の耐久性とコスパ
ここまで布製チェーンのメリットを中心にお伝えしてきましたが、ここからは「運用上のリスク」と「守るべきルール」について、さらにシビアな視点で解説します。
布製チェーンは便利な反面、使い方を間違えると一瞬で破損し、最悪の場合は事故につながるデリケートな道具でもあります。
乾燥路面を走ると寿命や走行距離はどうなる

布製チェーンに関するトラブルで最も多いのが、「すぐに破れた」というものです。
そしてその原因の9割は、「乾燥路面での長時間走行」にあります。
繊維にとってアスファルトは「おろし金」
想像してみてください。セーターの袖でアスファルトの地面を強く擦ったらどうなるでしょうか?すぐに毛羽立ち、穴が開いてしまいますよね。
布製チェーンも同じです。雪や氷の上では、水膜が潤滑剤となり繊維を守ってくれますが、乾燥したアスファルトの上では、車両の重量(1トン以上)と駆動力のすべてが布と路面の摩擦として直接かかります。
メーカー公称値では、雪道走行での耐久性は約100km〜数百kmとされていますが、乾燥路面を時速50kmで走行した場合、その寿命は数十km、下手をすれば10km未満で尽きることもあります。
特に、発進・停止を繰り返す渋滞時や、ハンドルをこじるようなカーブでは、摩耗スピードはさらに加速します。
破断の前兆とリスク
布製チェーンが限界を迎えると、まず接地面の布に小さな穴が開きます。
そこから走行を続けると、遠心力で穴が広がり、最終的には布が帯状に裂けてタイヤから脱落します。
「破れるだけならいい」と思うかもしれませんが、裂けた布が回転に伴ってタイヤハウス内のインナーフェンダーを叩き割ったり、ABSセンサーの配線に絡みついて断線させたりする二次被害のリスクがあります。
したがって、「アスファルトが見えてきたら即座に外す」か、それができない場合は「いつ破れてもおかしくない」という前提で、異音や振動に神経を研ぎ澄ませて走行する必要があります。
↓2本セットでこの価格、非常時の備えにも最適↓
↑雪道に強く取り付けもラク、冬の必需アイテム↑
長いトンネル走行時の摩耗対策と着脱

日本の高速道路ネットワーク、特に関東から新潟・長野方面へ向かう関越自動車道や中央自動車道には、世界有数の長大トンネルが存在します。
例えば「関越トンネル」は全長約11kmもあります。
外は大雪でチェーン規制中でも、トンネル内は完全にドライ(乾燥)状態です。
ここをどう乗り切るかが、布チェーンユーザー最大の悩みどころです。
理想の運用 vs 現実の対応
【理想的な運用】
トンネル手前のパーキングエリア(PA)でチェーンを外し、トンネルを抜けたら次のPAで再び装着する。これが最も寿命を延ばし、安全な方法です。
【現実的な問題】
しかし、大雪の日はPA自体が満車で入れなかったり、着脱スペースが雪で埋まっていたりすることが多々あります。また、トンネルを抜けた瞬間から路面が凍結している場合、チェーンなしでPAまで走るのが危険なケースもあります。
どうしても乾燥路を走らざるを得ない時の防衛策
やむを得ず乾燥したトンネルを布チェーンのまま走行する場合、以下の3点を徹底してください。
- 速度を極限まで落とす: 50km/h制限であっても、さらに低い40km/h程度で巡航し、摩擦熱の発生を抑えます。左車線をキープし、ハザードを焚いて後続車にアピールしましょう。
- 急な操作を封印する: 急加速、急ブレーキはもちろん、車線変更も極力控えます。タイヤに横方向の力が加わると、布の磨耗は倍増します。
- 水分補給(裏技): 可能であれば、PAでの休憩時に布チェーンに水をかけたり、雪をまぶしたりして湿らせておくと、多少ですが摩擦熱を緩和できるという現場の知恵もあります(ただし効果は一時的です)。
それでも、10kmの乾燥トンネルを抜けた後には、チェーンの繊維がかなり毛羽立っているはずです。
次の休憩ポイントで必ず状態を確認し、穴が開きそうになっていないかチェックする習慣をつけてください。
↓工具いらずで簡単取付、初めてのチェーンにも最適↓
↑TPU非金属チェーンで走行音が静か、乗り心地もしなやか↑
速度超過は厳禁!50km以下の走行ルール

布製チェーンのパッケージには、必ず「最高速度50km/h以下」という警告が記載されています。
これを「推奨速度」だと軽く考えていると痛い目を見ます。これは構造上の「限界速度」です。
遠心力による「浮き上がり」現象
布製チェーンは柔軟な素材でできているため、高速回転させると遠心力によってタイヤの表面から外側へ膨らもうとします。
速度が50km/hを超えると、この膨らみが大きくなり、タイヤとチェーンの間に隙間ができてグリップ力が失われます。
さらに恐ろしいのは、膨らんだ布がフェンダーの内側やサスペンションアームに接触し始めることです。
「バタバタバタ!」という激しい音がしたと思ったら、布が引き裂かれて飛んでいってしまった、という事例は枚挙に暇がありません。
高速道路でも低速走行を貫く勇気
「高速道路なのに50km/hで走ったら迷惑では?」と心配になるかもしれません。
しかし、チェーン規制が出ているような悪天候時であれば、高速道路全体の制限速度も50km/hまたはそれ以下(場合によっては40km/h)に規制されていることがほとんどです。
周りの大型トラックや高性能なスタッドレスを履いた地元車がビュンビュン飛ばしていくかもしれませんが、釣られて速度を上げてはいけません。
「自分は緊急用の装備で走っている」という自覚を持ち、第一走行帯(左側)をおとなしく走り続けること。これが、目的地まで無事にたどり着くための鉄則です。
↓乗り心地を損なわない布タイプで、振動も少なくスムーズ走行↓
↑手洗いでお手入れ可能、再利用OKのエコでコスパ良しチェーン↑
評判や口コミから見る実際の耐久性とコスパ

最後に、実際に布製チェーンを購入し、使用したユーザーたちのリアルな声を集約し、整備士としての分析を加えて紹介します。
評価は面白いほど真っ二つに分かれます。
「買ってよかった」派の意見
【分析】
高評価ユーザーの共通点は、「緊急用・保険」として割り切って使っている点です。
使用頻度が低く、長距離を走らないユーザーにとっては、初期投資が安く(1〜2万円)、管理も楽な布製チェーンは最高のコストパフォーマンスを発揮します。
「二度と買わない」派の意見
【分析】
低評価の多くは、「スタッドレスタイヤや金属チェーンの代わり」として過酷な使い方をしてしまったケースです。
乾燥路混じりの長距離移動や、頻繁な雪山通いに布製チェーン単独で挑むのは、そもそも製品の用途に合っていません。
布チェーンの凍結路や高速道路に関するよくある質問(FAQ)

- Q1.布製タイヤチェーンは高速道路のチェーン規制でも本当に通行できますか?
- A.
国土交通省の分類上、「布製カバータイプ」も正式にタイヤチェーンとして認められています。
そのため、チェーン規制に対応した正規品(AutoSockなど)であれば通行可能です。
ただし、一部の高速道路区間や道路管理者の判断、車種によっては布チェーンでの通行が制限される場合もあります。
使用前に道路情報と車両取扱説明書を確認しておくと安心です。
- Q2.布チェーンはどの程度の雪や凍結路まで対応できますか?
- A.
布チェーンは圧雪路や濡れた雪道では非常に良好なグリップを発揮します。
一方、完全なアイスバーンでは金属チェーンやスタッドレスタイヤに比べて制動力が劣るため、過信は禁物です。
急ブレーキ・急ハンドルを避け、車間距離をいつもの3倍以上確保するなど、安全運転が必須です。
- Q3.乾燥路やトンネルを布チェーンを装着したまま走っても大丈夫ですか?
- A.
乾燥路での長時間走行は布チェーンの大敵で、寿命が一気に縮み、破損につながる恐れがあります。
可能であればトンネル手前のPAで外し、雪道に戻ったところで再装着するのが理想です。
やむを得ず走行する場合は、速度を40〜50km/h以下に抑え、急操作を避け、走行後に必ず摩耗状態をチェックしてください。
- Q4.布チェーンはスタッドレスタイヤの代わりになりますか?
- A.
代わりにはなりません。
布チェーンは「緊急用・応急用」の装備として非常に優秀ですが、長距離走行や連日の雪道走行には向いていません。
スタッドレスのように氷結路で安定した制動力を発揮するわけではないため、普段から雪道を走る地域ではスタッドレスタイヤの使用が基本です。
布チェーンの凍結路や高速道路での運用まとめ
これまでの解説を総括して、布製タイヤチェーンを高速道路や凍結路で安全かつ賢く使うためのポイントをまとめます。
布製タイヤチェーンは、現代の道路事情や車両特性にマッチした非常に優れた「緊急用・補助用」のアイテムです。
その「得意なこと」と「苦手なこと」を正しく理解し、適切なシーンで活用すれば、雪道のトラブルからあなたと大切な家族を守る心強い味方となってくれるでしょう。
この記事が、皆さんの安全な冬のカーライフの一助となれば幸いです。
↓乗り心地を損なわない布タイプで、振動も少なくスムーズ走行↓
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↓2本セットでこの価格、非常時の備えにも最適↓
↑雪道に強く取り付けもラク、冬の必需アイテム↑








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