三菱ふそう【キャンター】隠れた故障コードが原因で、DPFが再生できなかった車両の修理をご紹介します。
メーターにスイッチを押すように指示が出ているのに【DPFスイッチ】を押してもDPF再生できないと困ってしまいますね。
以前にも同じような故障がありましたが、当時はあまり分からなかったのでメーカーさんに依頼しました。
今回の修理は、無事に解決できました。
隠れていた故障コードは、【3726-16 DPFすす含有量異常】と【520193-21 構成部品 ‘エアマスフロー / 吸気温度センサー’ 温度値異常】になります。
故障コードの【520193-21】は、最近よく見るようになりました。
特にエンジンが4P10+(プラス)になってからの車両です。
場合によっては、部品交換をしないといけない事があるかもしれませんね。
とはいえ、トラックの修理費用ってすごく高いですよね。
自分で修理が出来るなら部品代だけで済みますが、無理は禁物です。
自分で修理が出来ない場合は、車屋さんに依頼して下さいね。
車屋さんにも修理の参考にして頂けたら嬉しいです。
整備士歴27年の私が、皆さんのお役に少しでも立てればと思いこの記事を書きました。
修理対象車両情報・依頼内容・修理費用
修理対象車両情報:三菱ふそう キャンター 2RG-FBA30 4P10 R04/03 23000km
依頼内容:マフラーが焼けない(DPF再生できない)
修理費用:16000円+税
依頼内容の修理費用は高いですか?それとも安いですか?
なぜ、このような金額になるのかを作業内容や修理方法を交えて解説していきたいと思います。
車両故障診断
リース屋さんから、マフラーを焼いて欲しいと依頼がありました。
それでは、状況確認します。
エンジンを始動すると、ウォーニングランプの【DPF FULL橙】とDPFスイッチを押すように表示が出ています。
エンジンチェックランプは点灯していません。
DPF橙のインジケーターランプは点滅していません。
通常ならDPF橙のインジケーターランプは点滅するはずなのですが…。
キャンターは水温が低いとDPFスイッチを押しても反応しませんので、しっかりと水温(60℃以上)を上げてからDPFスイッチを押します。
水温が上がったのを確認して、DPFスイッチを押しますが再生しません。
何かおかしいですね。
スキャンツール(診断機)で故障コードを確認します。
普段使用しているスキャンツール(診断機)
作業する上で必ず必要になるのがスキャンツール(診断機)ですね。これがなければ始まりません。
バッテリーを外して消去(出来るか分かりません)などはしない様にして下さい。
トラブルの原因になりますのでスキャンツールを使用しましょう。
GAMが使用しているのはG-SCN2でしたが、【G-SCN Z】を導入しました。
やはり、コード付の方が準備も早く充電の必要がないので一番のオススメです!!
↓イチオシ!今使用しているコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
車種により相性が良くない事もあるので、メーカー違いで【バンザイ MST-nano】も使用しています。
↓無線接続できるのでコードが気にならない↓
↑Windows OS搭載スキャンツール!OBD検査にも対応↑
両方使用した個人的な感想は、故障診断がメインなら断然コード付【G-SCN Z】がオススメです。
【バンザイ MST-nano】も無線で便利なのですが、準備に少し手間がかかるのとデータ表示にタイムラグがある為、GAMの所では故障診断にも使いますが主にOBD検査時に使用する予定です。
キャンター【OBDコネクター位置】4P10
4P10キャンターのOBDコネクタ位置は、このようになっています。
クラッチペダルの左側にあります。
このようにスキャンツール(診断機)のカプラーをOBDコネクタにつなぎます。
故障コードの確認
スキャンツール(診断機)を使用して故障コードを確認します。
スライドすると、まだありますね。
現在故障が2個と14個の過去故障出ています。
少し多すぎませんか…。
【3726-16 DPFすす含有量異常】と【520193-21 構成部品 ‘エアマスフロー / 吸気温度センサー’ 温度値異常】の2つが現在故障になります。
↓ダイアグコードの詳しい内容はこの記事を読んで下さいね↓
↑【キャンター 】4P10エンジンダイアグノーシス(故障コード・DTC)一覧【まとめ】↑
作業内容・修理方法・原因
一度、故障コードを消去します。
消去する時は、出ていた故障コードを写真やメモなどに記録してから消去してください。
どうしてもダメな時、メーカーさんに問い合わせする時に役立ちますので必ず記録します。
故障コード2つは消えないようですね。
このまま、作業サポートからDPF再生が出来るかやってみます。
DPF再生はできませんでした。
記載通り故障コードを消去しなければ再生できないようです。
故障コード3726-16の消去方法
【3726-16 DPFすす含有量異常】を消去していきます。
作業サポートの【ディーゼルパティキュレートフィルター】から、DPFの学習値をリセットをします。
正常に学習が完了しました。
【DPF LEVEL】の表示はゼロになりました。
しかし、ウォーニングランプのENGSYS(橙)が点灯しました。
↓ウォーニングランプの詳しい内容はこの記事を読んで下さいね↓
↑【キャンター】4P10 ウォーニングランプ一覧まとめ↑
【3726-16 DPFすす含有量異常】は消去する事ができました。
再度、DPF再生をしてみましたが出来ませんでした。
次は、【520193-21 構成部品 ‘エアマスフロー / 吸気温度センサー’ 温度値異常】ですね。
故障コード520193-21の消去方法
【520193-21 構成部品 ‘エアマスフロー / 吸気温度センサー’ 温度値異常】を消去していきます。
作業サポートの【エアマスフロー/吸気温度センサー】から、エアフローセンサーの学習値をリセットします。
正常に学習が完了しました。
↓以前に520193-21を消去した方法はこちら↓
↑作業サポートで出来ない場合は試してみるのもあり⁉↑
ウォーニングランプのENGSYS(橙)は消えました。
しかし、今度はDPF橙のインジケーターランプが速く(0.25秒間隔)点滅しました。
故障コードを確認します。
【520193-21 構成部品 ‘エアマスフロー / 吸気温度センサー’ 温度値異常】を消去できました。
これですべての故障コードが消去できました。
DPF再生
故障コードがすべて消去できたので、作業サポートからDPF再生をします。
無事に、DPF再生が始まりました。
順調よく温度も上がっていますね。
DPF再生が正常に終了しました。
DPF橙のインジケーターランプが速く(0.25秒間隔)点滅していたのも消えました。
故障コードも何も出ていません。
メーターから操作する【自己診断】も見ましたが問題ありません。
↓メーターのスイッチ操作で出来る【自己診断方法】はこちら↓
↑ダイアグノーシス(故障コード・DTC)を確認・消去できます↑
これですべての作業完了になります。お疲れさまでした。
原因
【3726-16 DPFすす含有量異常】と【520193-21 構成部品 ‘エアマスフロー / 吸気温度センサー’ 温度値異常】の2つの故障コードが原因でDPF再生ができなかったようです。
今回は、再学習で改善しました。
場合によっては、マフラー交換やエアフローセンサー交換をしないといけない事があるかもしれませんね。
この記事を参考に作業する上での注意点
この記事は、整備書にない手順・方法や私自身のオリジナル修理・整備方法なども書いておりますので作業される場合はすべて自己責任なりますので注意してください。
参考修理費用・部品価格
部品価格:0円
部品価格:合計 0円
作業工賃:故障診断・リセット作業一式 8000円
DPF強制再生 8000円
作業工賃:合計 16000円
参考価格:部品価格+作業工賃=合計 16000円+税です。
今回紹介した工具・用品のまとめ
↓イチオシ!今使用しているコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
↓無線接続できるのでコードが気にならない↓
↑Windows OS搭載スキャンツール!OBD検査にも対応↑
GAMの記事はいかがでしたか?
皆さんのお役に少しでもたてましたか??
最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメント