【キャンター 】キャブチルトの方法と安全ストッパーの使い方をまとめましたのでご紹介いたします。
皆さんは、トラックのキャブチルトをしたことはありますか?
運転を始める前には、必ず日常点検(運行前)をしなくてはいけません。
点検項目には、エンジンオイルの量もあるのでキャブチルトをしますよね。
キャブを上げてロックレバーがカチッとなればOKだと思っていませんか?
実は、これではキャブチルトは不十分なのです。
キャブチルト時は、必ず安全ストッパー(ピン)を併用しなくてはいけません。
正しいキャブチルトで安全な作業をしてくださいね。
とはいえ、トラックの修理費用ってすごく高いですよね。
自分で修理が出来るなら部品代だけで済みますが、無理は禁物です。
自分で修理が出来ない場合は、車屋さんに依頼して下さいね。
車屋さんにも修理の参考にして頂けたら嬉しいです。
整備士歴27年の私が、皆さんのお役に少しでも立てればと思いこの記事を書きました。
記事モデル車両データ
この記事のモデルになっている車両データです。
車名:三菱ふそう
型式:2PG-FBA60
原動機の型式:4P10
初年度検査年月:令和3年2月
キャブチルト前の準備
キャブの上げ、降ろしする時は出来るだけ平坦路で行うようにして下さい。
室内の荷物など落ちない様に整理してからチルトして下さいね。GAMは、以前大型車でキャブをチルトした時に荷物が落ちてフロントガラスを割ったことがありますから…。
キャリアなど付いている車両やキャブが通常より重い場合は、無理をせず2人以上で作業してください。
エンジンをかけた状態でチルトする時は、必ずエアコンを停止してください。車両の状態によってはエアコンのドレーン水が室内に漏れる場合があります。
キャブの上げ方
キャブを上げる時は、必ずチルトグリップを持って上げてください。
あとキャブは勢いよく上げないようにして下さいね。場合によってはキャブチルト機構が損傷する原因になりますからね。
各部品の名称はこのようになっています。
キャブチルト作業の方法などは、取扱説明書や操作レバー近くにステッカーなどに記載していますので、熟読してから作業をしてください。
それでは、キャブを上げていきます。
チルトグリップを握り、レバーCを引きます。そうするとキャブが少し浮き上がります。
チルトグリップを持ちキャブを持ち上げます。キャブステー端部とロックレバーの切り欠き部がかみ合うまでキャブを持ち上げます。(かみ合うとカチッと音がします)これでキャブは固定されます。
これが、キャブステー端部とロックレバーの切り欠きがかみ合ってキャブが固定されている状態です。
年数が経ってくるとキャブステーの支点が固くなることがあります。
このような状態になる時は、矢印の方向に押してやればカチッとロックされます。
錆びて固くならない様に、定期的に可動部に潤滑剤を給油するといいですね。
おすすめの潤滑剤はこちらです。
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キャブを上げた後の安全ストッパー
ほとんどの方は、キャブステー端部とロックレバーの切り欠き部がかみ合えば完了と勘違いをされていませんか?
この状態で作業をして、何かの衝撃でロックレバーが外れてしまうと大変なことになります。
ここで忘れてはいけない安全対策です。
ロックレバーの上部にもこのように切り欠き部があります。
チルトグリップをもったまま、クリップに収納されている安全ストッパーをこのように下に降ろすとロックレバーが外れにくくなります。
これで安全に作業ができますので、ストッパーを忘れないようにしてくださいね。
キャブの降ろし方
キャブを降ろす前に、エンジンルーム内に忘れ物がないかしっかり確認をしてください。トラブルや故障の原因になりますからね。
キャブを降ろす時は、チルトグリップを持ってキャブを支えながらゆっくり降ろしてください。
●安全ストッパーを解除してクリップに押し込んで固定します。
●チルトグリップを持ちキャブを支えながら、ロックレバーを持ち上げてキャブステーを折り曲げます。
※キャブステーのロックが解除したらすぐにロックレバーから手を離してください。
●チルトグリップを持ったまま、レバーCのつめがキャブマウント掛かるまでゆっくりキャブを降ろします。
●レバーBをピンがラッチに掛かるまで押し下げます。もし、レバーBが押し下げれない場合は再度やり直してください。
キャブロックの確認
キャブを降ろした後は、キャブがロックされている事を必ず確認してください。
ロックが不十分だと走行中にキャブが持ち上がり重大な事故につながる恐れがあります。
●ラッチがピンに確実にかかっている事を確認します。それとレバーBを引いても動かない事も確認します。
●レバーCを引きながら、チルトグリップを持ちキャブを上げる方向に力を入れてもキャブが上がらないの確認します。
●キースイッチをONにしてマルチインフォメーションディスプレイに”CABTILT(赤)”が表示されない事を確認します。
どれか1つでも不具合がある場合は、再度キャブチルトをやり直します。
ラッチの部分がスイッチになっているのですが、稀に接触不良などで”CABTILT(赤)”が点灯する場合もあります。
接触不良ならこれを試してみては?
↓GAMがよく使うケミカルです↓
↑電気関係の接触不良にはまずコレですね↑
この記事を参考に作業する上での注意点
この記事は、整備書にない手順・方法や私自身のオリジナル修理・整備方法なども書いておりますので作業される場合はすべて自己責任なりますので注意してください
今回紹介した工具・用品のまとめ
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GAMの記事はいかがでしたか?
皆さんのお役に少しでもたてましたか??
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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