【三菱ふそう キャンター】ENGSYS(橙)ランプが点灯したのでエアフローセンサーを再学習した修理をご紹介します。
ENGSYSランプが点灯したまま状態…オイルのリセットすれば解決しそうですね。
しかし、エンジンオイルリセットでは直りません。
SAMランプの電球切れとも違います。
01F0F5【520193-21】最近よく見る故障コードですね。
これで、チェックランプが点いた時にはどうしたらいいのか困ってしまいます。
こうなる前に少しでも早く解決したいです。
とはいえ、トラックの修理費用ってすごく高いですよね。
自分で修理が出来るなら部品代だけで済みますが、無理は禁物です。
自分で修理が出来ない場合は、車屋さんに依頼して下さいね。
車屋さんにも修理の参考にして頂けたら嬉しいです。
整備士歴26年の私が、皆さんのお役に少しでも立てればと思いこの記事を書きました。
修理対象車両情報・依頼内容・修理費用
修理対象車両情報:三菱ふそう キャンター 2PG-FBA60 4P10 R03/02 26000km
依頼内容:ENGSYS(橙)点灯
修理費用:16000円+税
依頼内容の修理費用は高いですか?それとも安いですか?
なぜ、このような金額になるのかを作業内容や修理方法を交えて解説していきたいと思います。
作業する上で必要な物
作業する上で必ず必要になるのがスキャンツール(診断機)ですね。これがなければ始まりません。
バッテリーを外して消去(出来るか分かりません)などはしない様にして下さい。
トラブルの原因になりますのでスキャンツールを使用しましょう。
GAMが使用しているのはG-SCN2ですが、三菱ふそうのファイターや新型車など不具合は若干ありますが現役で使用しております。次買い替えるなら、やはりバンザイの診断機ですね。
↓おすすめのコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
車両故障診断・原因
マルチインフォメーションディスプレイにENGSYS(橙)点灯して、エンジンチェックランプの点灯はありません。
エンジンの吹けなどは問題なさそうです。
ENGSYS(橙)点灯する条件
ENGSYS(橙)が点灯する条件は以下になります。
●エンジンが点検必要な時
●エンジンオイル交換必要時に【ENGOILランプ】と交互表示の時
●エンジンオイル交換後のリセット処置をした時(10秒間点燈表示)
車両故障診断
診断機を使用して故障コードの確認をします。
520193-21:構成部品 ‘エアマス・フロー / 吸気温度センサ’ の値が妥当ではありません。
01F0F5 構成部品 ‘エアマス・フロー / 吸気温度センサ’ の値が妥当ではありません。
エアフロー&吸気温度センサー(エアフローセンサー部)の学習された補正値が規定値より低いと記録されます。
ENGSYS(橙)ランプとエンジンチェックランプが点灯します。
スターターSW がON にあるときに正常な信号になっても復帰しません。
ここで、1つの疑問ですがエンジンチェックランプ点灯するはずがしていないという事です。
通常なら、チェックランプ点灯するはずなのですが…。
エアフローセンサーの場所
それでは、エアフローセンサーを確認していきます。
場所はキャビンを上げて右側の赤丸の部分です。
配線カプラー、外的損傷などを見ます。
目視では問題なさそうですね。
まだ、新しい車なので故障などないと思うのですが…。
キャンター エアフローセンサー↓
↑純正品番 ME422856 定価15200円↑
スキャンツールのデータ表示でエンジンの状態を見ていきます。
注目部分は、左の上から2番目【構成部品エアマスフロー/吸気温度センサーの温度】です。
参考値は、キーONで(エンジン冷間時)で外気温相当ですね。
現在、12℃ですので問題なさそうです。
次に注目部分は左の上から6番目の【エンジン吸入空気量】です。
エンジンを吹かすと数値が上昇します。
参考値はエアフロー吸気温度センサーによる吸入空気の総量を表示(m3/s)です。
・・・。数値が吸入量で上昇するので問題なさそうですね。
最後に注目部分は、左の上から6・7.8番目の【アイドリング時のエアフロー学習値】【負荷時のエアフロー学習値(上)】【負荷時のエアフロー学習値(下)】です。
参考値は、特に明確な数値がないみたいです。
【アイドリング時のエアフロー学習値】0%は未学習:0%以外は学習済
【負荷時のエアフロー学習値(上)】0%のままです。(基準の数値ですかね?)
【負荷時のエアフロー学習値(下)】0%は未学習:0%以外は学習済
エアフローセンサーは数値で見る限り問題なさそうですね。
520193-21 故障コード消去
一度、故障コードを消去します。
エンジン始動状態で消去してみましたが、消去出来ませんでした。
エンジンを始動しないで、キーONだけで再消去します。
【消去しました。】と表示が出て消去…出来ませんでした。
継続して故障コードが出ている為だと思います。
年式からすれば、クレームで対応可能のはずですのでメーカーに問い合わせしました。
クレーム対応できるのですが、1か月は待たないと入庫できないとの事です。
お客様にお伝えすると、そんなに待てないという事ですのどうにか対処してみようと思います。
有料対応でもいいとの了解を取りましたので、作業をしていきます。
メーカーさんからは、多分エアフローセンサー関係が問題ありそうとのアドバイスを頂きました。
作業内容・修理方法
正直な所、この方法が正しいのかは分かりませんが実際に【ENGSYS(橙)】は消えました。
10㎞ほどの試運転後も問題ありませんし、故障コードも出ていません。
それでは、作業を進めていきます。
後で、ご説明します【エアフローセンサーの初期学習方法】を実践しました。
ただ、通常通り学習を進めるとなぜか最初の学習値リセットをすると
右下の緑色の【DPF自動再生中ランプ】が点灯して回転数が上がります。
エンジンOFFにして、再始動しても【DPF自動再生中ランプ】付いたままで回転数が高いままです。
そのまま、エンジンをかけたまま様子を見ていましたが変わりがないため初期学習を進めました。
通常の【エアフローセンサーの初期学習方法】では、DPF自動再生中ランプは点灯しません。
ここからは、記憶が曖昧な部分がありますのでご了承ください。
初期学習終了後、【DPF自動再生中ランプ】は消えませんでした。
手順通りしたつもりが出来ていなかったかもしれません。
そのまま、エンジンをかけたままお昼休みに行って午後から作業進めようとしたら消えていたと思います。
もしかすると、実際にDPF自動再生をしていたのではないかと思います。
その後、もう一度手順通りエアフローセンサーの初期学習をして完了しました。
それでは、【エアフローセンサーの初期学習方法】を詳しく解説していきます。
エアフローセンサーの初期学習方法
エアフローセンサーの学習方法は停車状態で行います。
学習するには、スキャンツール(診断機)が必要になります。
今回使用したスキャンツールは【G-SCN2】です。
手順の中にアフターランという言葉が出てきますので先にご説明いたします。
アフターランとは?
尿素水吸い戻し制御やリバーティング制御とも言われます。
エンジン停止などにより、尿素水の噴射が停止すると尿素配管内の尿素水を吸い戻す制御のことです。
(尿素水配管内の尿素水が寒冷時に凍結したり、乾燥により結晶化するのを防止する為)
キースイッチにてエンジン停止後に一定の時間、吸い戻し制御が継続しますので停止後すぐにバッテリー端子を外さないでください。
エンジンOFFにしても、約60秒ぐらい室内のリレーやコンピューターなどがカチカチと作動します。
エアフローセンサーの学習手順
エンジン始動後、スキャンツールの作業サポートから【No.005 エアマスフロー/吸気温度センサー】にて学習値のリセットを行います。
リセット完了後、約60秒ほどのアフターランが必要のため、キーをOFFにします。
(キーをOFFにして60秒ほど待ちます)
エアコンSWをOFFにする。(元々、OFFにしていればSWを触らなくて大丈夫です)
エアフローセンサーの学習値が「0」であることをスキャンツールの【No.005 エアマスフロー/吸気温度センサー】から【160 エアマスフロー学習値1】と【161 エアマスフロー学習値2】を確認します。
(確認だけですので再度学習の必要はありません)
データ表示からでも確認できます。
【160 エアマスフロー学習値1】→アイドリング時のエアフロー学習値
【161 エアマスフロー学習値2】→負荷時のエアフロー学習値(上)
エンジン始動してエンジン冷却水温を60℃以上にします。
(メータークラスターの温度表示部で5目盛以上)
(暖気終了後ならそのまま進んで問題ないです)
アイドリング状態で約2分間待ちます。
次にアクセルをいっぱいに踏み込んだまま、ブザーが鳴るまでの約15秒間ハイアイドルを維持します。
(約11秒~13秒ぐらいで小さな【ピーーー】というブザー音が聞こえます。
かなり小さな音なので聞き漏らさない様して下さいね。
ブザー音が聞こえればアクセルを離します。
アクセルを離したあともブザー音が鳴りますが、しばらくすると消えます)
学習値をスキャンツールで確認する場合は、エンジンを一度停止して約60秒ほどのアフターランが終了後に確認をします。
(キーSWをOFFにして約60秒後に、エンジンを始動して学習値の確認をします)
学習終了後の数値の変化は以下の通りになります。
アイドリング時のエアフロー学習値 -4.578% → -3.027%
負荷時のエアフロー学習値(上) 0.000% → 0,000%
負荷時のエアフロー学習値(下) -16.199% → -8.997%
※今回の数値は、あくまでもこの車両の値ですので必ずしもこの数値になる訳ではありません。
これですべての作業完了になります。お疲れさまでした。
追記 約2か月後に再発しました。
診断機で見ると、前回と同じ故障コードでした。
今回は、登録後ちょうど2年なのでメーカー保証修理で対処できました。
交換部品はエアフローセンサーです。
再学習で再発するようならば、エアフローセンサーの交換をおすすめします。
エアフローセンサーの交換後は、上記の初期学習が必要になります。
↓キャンター エアフローセンサー↓
↑純正品番 ME422856 定価15200円↑
この記事を参考に作業する上での注意点
この記事は、整備書にない手順・方法や私自身のオリジナル修理・整備方法なども書いておりますので作業される場合はすべて自己責任なりますので注意してください。
参考修理費用・部品価格
部品価格:0円
部品価格:合計 0円
作業工賃:故障診断・診断機使用 8000円
エアフローセンサー再学習一式 8000円
作業工賃:合計 16000円
参考価格:部品価格+作業工賃=合計 16000円+税です。
今回紹介した工具・用品のまとめ
↓おすすめのコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
↓キャンター エアフローセンサー↓
↑純正品番 ME422856 定価15200円↑
GAMの記事はいかがでしたか?
皆さんのお役に少しでもたてましたか??
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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