デュトロのエアコンの風の出が悪いという事で、エバポレーターを取り外して清掃した修理をご紹介します。
暑い時に、エアコンの風が全然出ないのは大変です。
もちろん冬ならヒーターの風が出ないという事ですね。
暑くても、寒くてもどちらにしても風が出ないのは困りますよね。
1日でも早く修理して、熱中症などにならないよう注意しましょう。
とはいえ、トラックの修理費用ってすごく高いですよね。
自分で修理が出来るなら部品代だけで済みますが、無理は禁物です。
自分で修理が出来ない場合は、車屋さんに依頼して下さいね。
車屋さんにも修理の参考にして頂けたら嬉しいです。

整備士歴26年の私が、皆さんのお役に少しでも立てればと思いこの記事を書きました。
修理対象車両情報・依頼内容・修理費用
修理対象車両情報:日野 デュトロ TKG-XZU620T N04C H26/2 132000km
依頼内容:エアコンの風量が少ない
修理費用:58020円+税

依頼内容の修理費用は高いですか?それとも安いですか?
なぜ、このような金額になるのかを作業内容や修理方法を交えて解説していきたいと思います。
↓古いデュトロのエバポレーター清掃はこちら↓

車両故障診断・原因
それでは、故障診断していきます。
風量のスイッチを切り替えて状態の確認します。
風量最大で正常な時の1ぐらいの風量しかありません。
ブロワーモーターはしっかり作動している音もします。
内外気の切り替えしても、風量の変化はありません。
次にエアコンフィルターのつまりを確認します。

この部分に、フィルターが付いています。
デュトロは網フィルターと高性能フィルターがあります。
以前、高性能フィルター付きの車両がフィルターの詰まり過ぎでで吸い込んだ車両がありました。
今回は網フィルターなので吸い込みの心配はないですが、細かい砂埃などは通過してしまうのである意味問題ありです。

原因
フィルターの詰まりはありませんでしたので、原因はその先のエバポレーターが詰まっていると思われます。
エバポレーターとは、日本語で熱交換器のこと。車のエアコンは次のような順序で冷たい空気を発生させており、エバポレーターの役割は下記の2と3の部分。エバポレーターは、エバポレーター自体が冷えることによって流れてくる空気を冷やし、冷たい空気を発生させています。
CAR TUNE
作業内容・修理方法
エバポレーターの取り外しに向けて作業をしていきます。
アンダーカバーを外してエアコンのガスを抜きます。
8ミリボルト2本8ミリのナットを取り外します。
この電動インパクトがすごい活躍しています。
小さくて、パワフルで価格も安いです。10.8シリーズの種類が豊富!
↑バッテリーと充電器は別売りです↑
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GAMも愛用している電動インパクト、3点セットをお試しください。

この部分に低圧と高圧のカプラーがあります。
マニホールドゲージをつないでエアコンガスを抜いていきます。
一度自分で使えば、工具代は浮きますね。

+ビスを取り外して、フロントグリルを取り外します。
かなりピンがしっかり付いていますので、破損させない様に注意して下さいね。

エアコンの配管を取り外す為に、左のヘッドライトを外します。

このボルトを外さないと、配管を逃がす事が出来ないです。

室内のカバー類を外していきます。
このデュトロは、エバポレーターがとても外しやすい車両です。

ケースの+ビスを外すとガバッと外れます。
サーミスターの配線を外し忘れない様に注意して下さい。

エバポレーターのカバーもガチガチに硬いわけではないのでやり易いです。
他の車種なら、ブロワーユニットを外す事が多いですからね。

室内の外したボルトはこれだけです。
かなり少ないですよね。

エバポレーターの状態
エバポレーターが取り外しできました。
配管は付けたまま、取り外します。
写真右のコアに刺さっているのが、サーミスタです。

中身を確認しましょう。
かなり詰まっていますね。
これでは、風が通りませんね。

ほとんどのつまりの原因は、【ほこりと砂埃】ですね。
この車両は、ダンプですので現場の砂埃を吸い込むので詰まりやすいです。

配管を取り外します。
エキスパンションバルブはトラブルが多いので、ここまで外しているので一緒に交換します。
このカバーの中身はなんでしょうか?

ただ、配管をつないでいるので分解する必要ないですよ。
外すと、Оリング交換しないと駄目ですからね。

水洗いするので、配管取り付け部を養生します。
内部に水が入らない様に注意して下さいね。

室内カバーもかなり汚れているので、一緒に洗浄します。
ここでエバポレーターを洗浄するのに役立つのがパルスガンです。
一度使うと、もう使わずにはいられなくなりますよ。

どうですか?綺麗になりました。
ここで注意点、パルスガンで取れないコアにこびり付いた物は無理に取らない様にして下さい。
ましてや、ドライバーで取るなどするとガス漏れの原因になりますからね。

カバーもスッキリ綺麗になりました。

交換部品
エキスパンションバルブとボルト、Оリングです。

Оリング組付けには、コンプレッサーオイルを塗って取り付けします。

カバーに、エバポレーターをはめて取り付けします。

+ビスをカバーに取り付けします。
取り付け後に、カバーがしっかり取り付け出来ているか再確認して下さい。

排水ホースとダクトの取り付けを、忘れない様にして下さいね。
あとは、外したカバー復元して室内は終了です。

室外の配管を取り付けしたら、ヘッドライトとグリルを取り付けします。
グリル取り付け時にピン部に、シリコンスプレーを塗るとスムーズに取り付け出来ますよ。
GAMが良く使う、シリコンスプレーです。樹脂部の艶出しにも使えますよ。

エアコンガスチャージ
クーラーガスを入れるため、配管内の空気を抜きます。
ここで使うのが、真空ポンプです。

私は、いつも15分間真空ポンプ作動してマニホールドゲージのバルブを全て閉めます。
5分位置いて漏れなど問題なければ、ガスチャージしていきます。
工具が無い方でしたら、マニホールドゲージと真空ポンプのセットで購入がお得ですね。

ガスチャージする時は、いつもの3点セットです。

クーラーガスはこちらです。
蛍光剤入りですので、重宝しています。
入れるだけで、-2℃下がる素晴らしい添加剤です。
GAMが、いつも使う3点セットです。
デュトロ冷媒充填量
冷媒充填量400g
全部抜いた状態なら200g×2本ですね。
冷媒補充時の注意・・・泡消え後100±50g補充して下さい。

私のガスの入れ方です。
クーラーガスを1本入れて次に蛍光剤入りオイル、最後にクーラーガスですね。添加剤のパワーエアコンはゲージを外してからです。

マニホールドゲージではベストな状態ですね。
低圧、高圧ともに安定しております。

パワーエアコンの添加剤を注入します。
低圧から短めのホースで入れた方がいいです。
理由は簡単、添加剤が長いとホース内に残りやすいからです。

デュトロは下向きの付いているのでキャップにゴミがたまります。
必ずキャップ内を清掃してから締めましょう。

クーラーコンデンサーの清掃
デュトロは運転席の足元にあるモーター付きのタイプとラジエーターの前にある2種類があります。
この車両は、ラジエーターの前にあります。

ラジエーターの前にかなりゴミが詰まっていますね。
エアブローや水洗いなどで綺麗にします。

作業後の吹き出し口の温度
それでは、最後にエアコンの吹き出し口の温度を測定します。
温度最冷、風量最大、内気循環、前向きで測定します。

測定結果は・・・6℃です。
かなり冷えています。私的には9℃以下になればベストな冷え具合だと思います。

デジタル温度計なら便利ですね。
これですべての作業完了になります。お疲れさまでした。
この記事を参考に作業する上での注意点
この記事は、整備書にない手順・方法や私自身のオリジナル修理・整備方法なども書いておりますので作業される場合はすべて自己責任なりますので注意してください。
次に、今回の参考修理費用と部品金額になります。
参考修理費用・部品価格
部品価格:エキスパンションバルブ 4800円
ボルト 100円×2本
Оリング 210円
Оリング 160円×2個
Оリング 230円×3個
クーラーガス 1500円×2本
クーラーオイル(蛍光剤入)1800円
添加剤 4000円
部品価格:合計 15020円
作業工賃:故障診断・各カバー脱着・エキパン交換
エバポレーター脱着・各配管清掃一式 35000円
真空引き・ガスチャージ 8000円
作業工賃:合計 43000円
参考価格:部品価格+作業工賃=合計 58020円+税です。
今回紹介した工具・用品のまとめ
デュトロのエアコン高性能フィルターはこちらです。
小さくて、パワフルで価格も安いです。10.8シリーズの種類が豊富!
↑バッテリーと充電器は別売りです↑
↓AP DC10.8V専用バッテリーはこちらです↓
↓AP DC10.8V専用充電器はこちらです↓
GAMも愛用している電動インパクト、3点セットをお試しください。
マニホールドゲージはこちらです。
一度自分で使えば、工具代は浮きますね。
工具が無い方でしたら、マニホールドゲージと真空ポンプのセットで購入がお得ですね。
エバポレーターを洗浄するのに役立つのがパルスガンです。
一度使うと、もう使わずにはいられなくなりますよ。
GAMが良く使う、シリコンスプレーです。樹脂部の艶出しにも使えますよ。
クーラーガスを入れるため、配管内の空気を抜く工具です。
この工具が、真空ポンプです。
クーラーガスはこちらです。
蛍光剤入りですので、重宝しています。
入れるだけで、-2℃下がる素晴らしい添加剤です。
GAMが、いつも使う3点セットです。
パワーエアコン用に短めのホースはどうですか?
デジタル温度計なら便利ですね。
GAMの記事はいかがでしたか?
皆さんのお役に少しでもたてましたか??
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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