日野【デュトロ】のDPRランプが点滅しているのにSWを押さないまま走行して、エンジンチェックランプが点灯した修理をご紹介します。
あと少しで目的地だからそのまま走行する・・・エンジンチェックランプ点灯…よくあります。
メーターにチェックランプが点灯すると、どうしたらいいのか心配になりますよね。
GAMもこの修理は、はじめてだったのでかなり苦戦しました。
P2463:PMフィルター異常(スス堆積)…この故障コードをリセットするのが大変でした。
結果的には、無事修理完了しました。
とはいえ、トラックの修理費用ってすごく高いですよね。
自分で修理が出来るなら部品代だけで済みますが、無理は禁物です。
自分で修理が出来ない場合は、車屋さんに依頼して下さいね。
車屋さんにも修理の参考にして頂けたら嬉しいです。
整備士歴27年の私が、皆さんのお役に少しでも立てればと思いこの記事を書きました。
修理対象車両情報・依頼内容・修理費用
修理対象車両情報:日野 デュトロ TKG-XZU620T N04C H26/02 155800km
依頼内容:エンジンチェックランプ点灯。ススレベルMAXになっている。
修理費用:16000円+税
依頼内容の修理費用は高いですか?それとも安いですか?
なぜ、このような金額になるのかを作業内容や修理方法を交えて解説していきたいと思います。
車両故障診断
お客様のお話では、DPRランプが点滅しているのにSWを押さないまま走行したようです。
それでは、状況確認します。
エンジンを始動すると、エンジンチェックランプのみ点灯しています。
メーターのススレベルは10目盛のMAXになっています。
スキャンツール(診断機)で故障コードを確認します。
普段使用しているスキャンツール(診断機)
作業する上で必ず必要になるのがスキャンツール(診断機)ですね。これがなければ始まりません。
バッテリーを外して消去(出来るか分かりません)などはしない様にして下さい。
トラブルの原因になりますのでスキャンツールを使用しましょう。
GAMが使用しているのはG-SCN2でしたが、【G-SCN Z】を導入しました。
やはり、コード付の方が準備も早く充電の必要がないので一番のオススメです!!
↓イチオシ!今使用しているコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
車種により相性が良くない事もあるので、メーカー違いで【バンザイ MST-nano】も使用しています。
↓無線接続できるのでコードが気にならない↓
↑Windows OS搭載スキャンツール!OBD検査にも対応↑
両方使用した個人的な感想は、故障診断がメインなら断然コード付【G-SCN Z】がオススメです。
【バンザイ MST-nano】も無線で便利なのですが、準備に少し手間がかかるのとデータ表示にタイムラグがある為、GAMの所では故障診断にも使いますが主にOBD検査時に使用する予定です。
TKGデュトロ【OBDコネクター位置】
TKGデュトロのOBDコネクタ位置は、このようになっています。
ステアリングシャフト右側にあります。
ここにスキャンツール(診断機)のカプラーをOBDコネクタにつなぎます。
故障コードの確認
スキャンツール(診断機)を使用して故障コードを確認します。
P20CF:添加弁異常(開固着)
P2463:PMフィルター異常(スス堆積)
の故障コードが出ていますね。
↓ダイアグコードの詳しい内容はこの記事を読んで下さいね↓
↑TKG【デュトロ】エンジンダイアグノーシス(故障コード・DTC)一覧【まとめ】↑
作業内容・修理方法
一度、故障コードを消去します。
消去する時は、出ていた故障コードを写真やメモなどに記録してから消去してください。
どうしてもダメな時、メーカーさんに問い合わせする時に役立ちますので必ず記録します。
P2463:PMフィルター異常(スス堆積)が消去出来ないようです。
故障コードP2463が消えない⁈
DPR状態表示を見ていきます。
DPR目詰まり警告レベルがONになっています。
手順に従ってメモリーをリセットします。
バッテリーのマイナス端子を取外します。
手順通りしましたが、P2463:PMフィルター異常(スス堆積)が消去できません。
3回程、繰り返しましたがダメでした。
とりあえず、このままDPR強制再生をやってみます。
エンジンチェックランプ点灯したままで、DPR強制再生をしていますがエンジン回転数が規定通り上がらず強制再生は完了しませんでした。
やはり、故障コードを消去しないとダメなようです。
メーカーさんに問い合わせ
P2463:PMフィルター異常(スス堆積)が消去できないのですが、何か特別な方法などありますか?
うちでは、普通に消去できて強制再生もできますよ。特別な手順などありません。
どうしたらいいものか・・・。
時間を置いて、他の方にも聞いてみます。
すると、ススが堆積しているとダメとの事です。ススの堆積数値をリセットもしくは書き換えなどしないといけないようです。
PM堆積率
早速、データ表示でススの堆積状態を確認します。
確認するのは、赤矢印のPM堆積率です。
PM堆積率が400%になっています。
これをリセットしないとダメなようです。
作業サポートの中から消去できそうな項目を探します。
エンジン管理履歴で初期化してみます。
これでは、ダメなようです。
次に、自己診断モード切り替えも試します。
これもダメなようです。
このスキャンツールは、対応していないようです。
最後にDPR差圧チェックをします。
差圧は、10.32kPaで問題ないようです。
スキャンツール(診断機)の変更
違うスキャンツールで試してみます。
G-SCAN2からMST-nanoに変更して診断していきます。
エンジン始動すると、エンジンチェックランプ点灯しています。
コードがないので取り回しが楽ちんです。
↓無線接続できるのでコードが気にならない↓
↑Windows OS搭載スキャンツール!OBD検査にも対応↑
故障コードを確認します。
P2463:DPR再生操作不良
スキャンツールのメーカーによっては、故障コードの内容が少し違うようですね。
PM堆積率→PM堆積量割合ここも少し違いますね。
PM堆積量割合:402%です。
PM堆積量履歴データ初期化
エンジンサポートの項目に【PM堆積量履歴データ初期化】がありました。
これならリセット出来そうですね。
手順通り進めていきます。
故障コードを消去します。
無事に消去できました。
エンジンチェックランプも消えました。
DPR強制再生をします。
先程と違い、エンジンチェックランプも消えてエンジン回転数も規定通り到達していますね。
排気温度も、しっかりと上がっています。
DPR強制再生が20分位で正常終了しました。
メーターのススレベルはゼロになりました。
PM堆積量割合も402%→20%になりました。
DPR差圧チェックをします。
差圧は、10.32kPa→7.69kPaになりました。
最終、スキャンツールで故障コードの確認をしても問題ありません。
最初に出ていたP20CF:添加弁異常(開固着)は現在の所、問題ないようです。
お客様に事情を説明すると、今回は作業しないようです。
これですべての作業完了になります。お疲れさまでした。
この記事を参考に作業する上での注意点
この記事は、整備書にない手順・方法や私自身のオリジナル修理・整備方法なども書いておりますので作業される場合はすべて自己責任なりますので注意してください。
参考修理費用・部品価格
部品価格:なし
部品価格:合計 0円
作業工賃:故障診断・診断機使用 8000円
DPR強制再生 8000円
作業工賃:合計 16000円
参考価格:部品価格+作業工賃=合計 16000円+税です。
今回紹介した工具・用品のまとめ
↓イチオシ!今使用しているコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
↓無線接続できるのでコードが気にならない↓
↑Windows OS搭載スキャンツール!OBD検査にも対応↑
GAMの記事はいかがでしたか?
皆さんのお役に少しでもたてましたか??
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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