このような疑問にお答えしたいと思います。
今回の故障原因はズバリお答えします【排気シャッター】です。
トラックの修理費用ってすごく高いですよね。
自分で修理したら部品代だけで修理できますからね。
車屋さんにも整備の参考にして頂けたら嬉しいです。
整備士歴26年の私が、皆さんのお役に少しでも立てればと思いこの記事を書きました。
修理対象車両情報・依頼内容・修理費用
それでは、最初に皆さんが一番知りたい修理費用から説明します。
修理対象車両情報:イスズ フォワード SKG-FSR90S2 4HK1 H28/11
依頼内容:DPDの燃焼が終わっても直ぐにランプ点滅する。
修理費用:23000円+税
依頼内容の修理費用は高いですか?それとも安いですか?
なぜ、このような金額になるのかを作業内容や修理方法を交えて解説していきたいと思います。
修理依頼内容
それでは、車両の状況をお客様から聞き取りをしていきます。
DPDスイッチ押して燃焼が終わったのにまた、メーターにDPDスイッチを押せと表示される。
いつも通りDPDは再生されているようなんだけど・・・。
以上がお客様からの聞き取り状況になります。
それでは、診断をしていきたいと思います。
車両故障診断・原因
それでは、診断機をつないでデータ表示を見ながら手動再生してみます。
一応、焼けているみたいですね。
しかし再生進歩は、2目盛以上減りません。
DPDモード220(予備昇温中)
↓ 6分後
DPDモード370(再生中)
↓ 6分後
【水温】100℃ 【排気温度1】460℃ 【排気温度2】300℃
↓ 5分後
終了
水温が、かなり高めですね。オーバーヒートまではいかなかったですけど・・・。
排気温度1も、かなり低く生焼けの状態です。
17分ほどで排気シャッターが解放されて終了した様ですが・・・。
アクセルを吹かすと、またDPDスイッチの表示がでました。
お客様の言われた状況が再現できました。
まず、水温が高かったのでラジエーターの状態を確認します。
ラジエーターの前にインタークーラーが付いていますが、その間を点検します。
少し分かりにくいと思いますが、ラジエーターの前に埃がかなり詰まっています。
ここで、ふと思い出しました。
先日、エルフで似たような症状がありました。
その車は、P1454 DPD PM過捕集が出ていたのですが手動再生しても排気温度1が規定温度まで上がらず再生が完了しませんでした。
DPDのフィルターの不良だと思い、新品のフィルター交換後に手動再生しても温度上がらず・・・。
水温がその時も高かったのでサーモスタット・ラジエーターキャップも交換。
手動再生しても温度は下がらず、再生完了しません。
最後にインジェクターではないかと思い、交換しました・・。
しかし結果は変わらずでした。
最終は排気シャッターです。
納期の時間がなかったので排気シャッターの調整しました・・・。
結果、水温も安定して排気温度1も上がって手動再生完了しました。
ということがありましたので、排気シャッターの調整を先にします。
車両整備・作業内容・修理方法
年式によって違いありますが、このフォワードはマフラーの後ろにシャッターがありません。
この前に付いている排気シャッターだけで制御しています。
この写真のボルトと、上側の2本を外すと排気シャッターのカバーが動きます。
エルフでしたら、排気シャッターのカバー外れるのですがフォワードはミッションに干渉して外れません・・・。
ですので、隙間から排気シャッターの調整します。
この10mmのボルトを調整します。
【要注意】排気シャッターの調整
診断機がなければ調整はできません。
必ず、元の位置にマーキングをする事。
とても微妙な調整になりますので回しすぎるとあとが大変になります。
私は、いつもまず半回転ずつ調整します。
今回は水温があがり過ぎて温度が上がらない→排気シャッターの閉まりすぎ
この状態になっています。
ですので、半回転シャッター側にボルト伸ばします。(締りを悪くする)
こうすることによりエンジン負荷が改善して水温が下がり、排気ガスが抜けが良くなりマフラー温度が上がります。
例えば2回転伸ばす(締りを悪くする)と排気ガスが抜け過ぎてマフラー温度が上がらない。
逆に短くすると(締りを良くする)水温が更に上がり、排気ガスが抜けが悪すぎてマフラー温度が上がらない。
かなり繊細な調整が必要です。新品の排気シャッターは調整済みなので触る必要はありません。
安易に、排気シャッターの調整はしない様にして下さい。
今回は、シャッターの調整は半回転だけ伸ばし(締りを悪くする)ています。
それでは手動再生していきます。
DPDモード220(予備昇温中)
5分後
DPDモード370(再生中)
調整前より1分ほど早く入りました。
↓ 5分後
【水温】86℃ 【排気温度1】460℃ 【排気温度2】270℃
↓ 5分後
【水温】87℃ 【排気温度1】495℃ 【排気温度2】285℃
再生進歩も順調よく目盛が減り、水温も安定しています。
↓ 5分後
【水温】87℃ 【排気温度1】580℃ 【排気温度2】285℃
↓ 4分後
最高温度は、【水温】88℃ 【排気温度1】590℃ 【排気温度2】290℃
手動再生時間24分です。少し長めですが問題ありません。
排気シャッターが解放されて手動再生終わりました。
堆積量の目盛もクリアーされました。
無事に手動再生完了しました。
原因
排気シャッターの摩耗により、シャッターの閉まりすぎが原因です。
これですべての作業完了になります。お疲れさまでした。
この記事を参考に作業する上での注意点
この記事は、整備書にない手順・方法や私自身のオリジナル修理・整備方法なども書いておりますので作業される場合はすべて自己責任なりますので注意してください。
次に、今回の参考修理費用と部品金額になります。
参考修理費用・部品価格
部品価格:使用部品なし
部品価格:合計 0円
作業工賃:故障診断 8000円
排気シャッター調整・DPD燃焼一式 15000円
作業工賃:合計 23000円
参考価格:部品価格+作業工賃=合計 23000円+税です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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