新型キャンターの購入を検討する際、悪いところについて気になっている方は多いのではないでしょうか。小型トラック市場では、いすゞ「エルフ」と比較されることが多く、「エルフとキャンターどっちがいい?」と迷う人も少なくありません。そこで、本記事では、新型キャンターの評判や売れ行き、故障のリスク、さらにはデュオニックの故障事例について詳しく解説します。
また、乗り心地が悪いとの声が一部で聞かれる新型キャンターの運転の快適性や、NEWキャンターの前期型と後期型の違いは何ですか?といった疑問にも答えていきます。さらに、「新型キャンターの値段はいくらですか?」と価格面を気にする方のために、コストパフォーマンスの観点からも分析。
加えて、「キャンターは満タンで何キロ走ります?」という燃費性能や、搭載されている「4P10+の馬力は?」といったエンジン性能にも注目し、実際の使用感を詳しく解説します。新型キャンターを選ぶ前に、知っておくべきポイントを徹底的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
●記事のポイント●
①新型キャンターの乗り心地や運転の快適性の課題
②デュオニックの故障リスクや耐久性に関する注意点
③維持費やメンテナンスコストの負担と対策
④競合車種(エルフなど)との性能やコストの比較
新型キャンターの悪いところとは?購入前に知っておくべき点

●乗り心地が悪い?運転の快適性をチェック
●デュオニックの故障リスクとその対策
●故障が多い?耐久性やメンテナンスの注意点
●エルフとキャンターどっちがいい?性能を比較
●新型キャンターの評判は?ユーザーの評価を分析
●売れ行きは好調?市場での評価と人気度
乗り心地が悪い?運転の快適性をチェック

新型キャンターの乗り心地について、多くのドライバーが気になるポイントの一つです。特に、長距離運転や頻繁な荷物の積み下ろしを行う業務では、快適性が作業効率にも直結します。しかし、一部のユーザーからは「乗り心地が悪い」という声も聞かれます。ここでは、具体的にどのような点が影響しているのかを詳しく見ていきます。
まず、キャンターのサスペンション設計についてですが、トラックの性質上、積載時と空荷時で大きく挙動が異なります。新型キャンターは一部モデルで独立懸架式フロントサスペンションを採用しており、従来よりも乗り心地の向上が図られています。しかし、標準的なリーフスプリング仕様のモデルでは、耐久性を高めるためにやや硬めのサスペンションが採用されており、これが未積載の状態では振動をダイレクトに伝えやすくなっています。特に、首都高速や一般道の段差を走行すると、バタつくような動きが目立つことがあります。これは、荷物の重量によって車両の安定性が大きく左右されるためで、積載量が少ないときほど衝撃を感じやすくなります。
また、運転席のシートについても評価が分かれます。新型キャンターのシートは以前のモデルに比べてサポート性が向上しており、体を包み込むようなサイドサポートが採用されています。これにより、横揺れの際の負担が軽減されるよう設計されています。しかし、長時間の運転では腰や背中に負担を感じることもあります。特に、シートクッションの硬さが気になるという意見もあり、個人の体格や運転スタイルによっては疲労を感じやすくなることがあるでしょう。このような場合、クッションの追加やシート調整を工夫することである程度改善できます。
さらに、走行時の静粛性についても考慮する必要があります。新型キャンターはディーゼルエンジンを搭載しているため、エンジン音がキャビン内に響きやすい構造になっています。特に、高速道路を走行する際にはエンジン音や風切り音が気になることがあり、一般的な乗用車と比べると快適性に劣ると感じることもあるでしょう。しかし、これはトラック全般に共通する特徴であり、ある程度は許容範囲と考えるべき点です。
このように、新型キャンターの乗り心地には一部改善の余地があるものの、積載量や運転環境によって感じ方は異なります。乗り心地を重視する場合は、シートの調整や走行時の重量バランスを意識することで、快適性を向上させることが可能です。
デュオニックの故障リスクとその対策

新型キャンターに搭載されている「デュオニック(DUONIC)」は、商用車としては世界初のデュアルクラッチ式トランスミッションとして注目されました。このシステムは、燃費の向上やスムーズな変速を実現する一方で、ユーザーの間では故障リスクについての懸念が指摘されています。ここでは、デュオニックの故障リスクとその対策について詳しく解説します。
デュオニックの最大の特徴は、自動変速を行いながらもMT(マニュアルトランスミッション)の特性を活かした構造にあります。しかし、一般的なトルコン式AT(オートマチックトランスミッション)と異なり、クラッチを2つ搭載しているため、制御が複雑であり、長期間の使用によって特定の問題が発生しやすいことが課題となっています。
具体的な故障としては、クラッチの摩耗やデュオニックのソフトウェア制御の不具合が挙げられます。特に、渋滞や低速走行が多い場合、頻繁な変速が発生するため、クラッチに過剰な負担がかかり、摩耗が早まる傾向があります。また、電子制御システムが誤作動を起こし、変速がスムーズに行われない、あるいは異常警告が表示されることもあります。これらのトラブルは、長期間メンテナンスを怠ることでより深刻化する可能性があります。ただし、ソフトウェアのアップデートにより、これらの不具合が改善されたケースも報告されています。
対策としては、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に、クラッチの消耗状態をチェックし、異常を感じた場合には早めに点検を行うことが重要です。また、デュオニックのソフトウェア更新が提供されている場合は、ディーラーで最新バージョンにアップデートすることで、制御の精度を向上させることができます。
さらに、運転方法を工夫することも、デュオニックの寿命を延ばすために有効です。例えば、渋滞時にはブレーキをこまめに使うのではなく、できるだけアクセルとブレーキの操作をスムーズにすることで、クラッチへの負担を減らすことができます。また、低速での発進・停止を繰り返さないようにし、エンジン回転数を適切に管理することも、トランスミッションへの負担軽減につながります。
このように、デュオニックは便利な機能を持つ一方で、正しく管理しないと故障リスクが高まる可能性があります。適切なメンテナンスと運転方法を実践することで、長く快適に使い続けることができるでしょう。
故障が多い?耐久性やメンテナンスの注意点

新型キャンターの故障に関する話題は、トラックの購入を検討する上で重要な要素の一つです。特に、長距離走行や商業利用が前提の車両であるため、耐久性が求められます。しかし、一部のオーナーからは「故障が多い」という声も聞かれます。ここでは、新型キャンターの耐久性やメンテナンスの注意点について詳しく解説します。
まず、故障の原因として特定の運用環境で指摘されるのが「DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)」の詰まりです。DPFは排ガス中のスス(粒子状物質)を捕集し、定期的に燃焼してクリーンな排ガスを維持する装置ですが、短距離走行やアイドリングが多い運転が続くと、ススが燃焼しきれずに詰まりやすくなります。この問題が発生すると、エンジン警告灯が点灯し、出力低下やエンジンストールの原因になります。
また、「インジェクターの不具合」も報告されています。燃料噴射装置であるインジェクターが詰まると、燃費の悪化やエンジン不調の原因となります。特に、劣化した燃料や不適切なメンテナンスによって、インジェクターの性能が低下しやすい傾向があります。これを防ぐためには、定期的に燃料フィルターを交換し、水分混入を避けるために燃料タンクの管理を徹底することが重要です。
これらの問題を防ぐためには、定期的なDPF再生(クリーニング)や、エンジンオイル・燃料フィルターの交換が不可欠です。また、走行時には適度に高回転域を使用し、ススの蓄積を抑えることも有効です。さらに、信頼できる修理業者やディーラーでの定期点検を受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
適切なメンテナンスを行えば、新型キャンターの耐久性を最大限に活かし、長期間安定して運用することが可能です。
エルフとキャンターどっちがいい?性能を比較

小型トラックを検討する際、「いすゞ エルフ」と「三菱ふそう キャンター」のどちらが優れているのか迷う方は多いでしょう。どちらも国内市場で高いシェアを誇るトラックですが、性能や使い勝手にはそれぞれ特徴があります。ここでは、動力性能・燃費・耐久性・快適性といったポイントから、エルフとキャンターを比較していきます。
まず、動力性能についてですが、キャンターは「4P10型エンジン」を採用し、トルクが太く低速域でも力強い走りが可能です。特に積載時や坂道発進時には、エンジンのパワーを実感しやすいでしょう。一方、エルフは「スムーサーEX」というトランスミッションを搭載し、マニュアル車とオートマ車の特性を融合させたスムーズな加速を実現しています。したがって、頻繁に発進・停止を繰り返す運送業務では、エルフの方が扱いやすいと感じるユーザーも多いようです。
燃費に関しては、エルフの燃費性能が高いと評価されることが多いですが、使用条件によって異なります。特に最新モデルでは、排ガス規制対応のために改良が施され、エンジン本体の燃費性能が向上しています。一方、キャンターは「DUONIC 2.0」というデュアルクラッチ式のトランスミッションを採用し、省燃費性能を高めています。しかし、実際の運用では、渋滞が多い都市部ではエルフが、長距離走行ではキャンターが有利と感じる場面もあるため、用途に応じた選択が必要です。
次に、耐久性ですが、キャンターは一部の部品にドイツ製の技術が採用されており、メンテナンス時の部品代がやや高くなることがあります。また、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)の詰まりやインジェクターの交換が必要になるケースも報告されており、定期的なメンテナンスを怠ると修理費用がかさむことがあります。一方、エルフは国内流通の部品が豊富で、比較的維持費を抑えやすい傾向にあります。そのため、ランニングコストを重視する場合はエルフを選ぶユーザーが多いようです。
快適性については、エルフが静粛性や室内空間の広さでややリードしています。キャンターのキャビンはドライバーの目線が高く、視界が広いというメリットがありますが、振動や騒音が気になるという声もあります。長時間運転する場合には、エルフの方が疲れにくいと感じるユーザーが多いようです。
このように、エルフとキャンターはそれぞれの特徴が異なるため、使用用途に応じて選ぶことが重要です。都市部での配達や短距離運転が多い場合はエルフ、積載量や長距離走行を重視する場合はキャンターが向いていると言えるでしょう。
新型キャンターの評判は?ユーザーの評価を分析

新型キャンターは、2020年のフルモデルチェンジ以来、多くの改良が施されてきました。しかし、ユーザーからの評価を見ると、賛否が分かれる点もあります。ここでは、実際のオーナーの声をもとに、新型キャンターの評判を分析していきます。
まず、高評価を得ているポイントとして「積載性」が挙げられます。キャンターはもともと積載量に定評のある車両ですが、新型ではボディバリエーションが豊富になり、用途に合わせた選択肢が増えています。特に、超ロングボディやダンプ仕様など、業務に特化したモデルが用意されている点は、多くのユーザーにとって魅力的でしょう。
一方で、低評価の意見としては「維持費の高さ」が目立ちます。新型キャンターは最新の排ガス規制に対応しており、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)や尿素SCRシステムが搭載されています。しかし、これらの部品は定期的なメンテナンスが必要であり、長期間使用すると交換費用がかさむことがあります。特に、DPFが詰まるとエンジン性能が低下し、修理費用が発生するため、コスト面での負担が大きいと感じるオーナーも少なくありません。
また、走行性能に関しても意見が分かれています。新型キャンターは「DUONIC 2.0」というデュアルクラッチ式のトランスミッションを搭載しており、変速のスムーズさが向上しています。しかし、一部のユーザーからは「発進時の挙動がぎこちない」「低速域でギクシャクする」といった声もあります。これは、MTとATの中間的な構造であるため、運転に慣れるまでに時間がかかることが影響していると考えられます。
総合的に見ると、新型キャンターは積載性や走行性能の向上が評価される一方で、維持費やトランスミッションのクセに関する課題が指摘されています。購入を検討する際は、これらの点を考慮し、使用環境に合った選択をすることが重要です。
売れ行きは好調?市場での評価と人気度

新型キャンターの市場での売れ行きは、一定の人気を維持しているものの、近年は競合車種との比較で厳しい状況にあるとも言われています。ここでは、キャンターの売れ行きや市場での評価を詳しく見ていきます。
まず、小型トラック市場全体の動向として、近年は「いすゞ エルフ」「日野 デュトロ」などの競合車種との競争が激しくなっています。特に、エルフは燃費性能の向上やメンテナンスのしやすさを強みにしており、多くの事業者に選ばれています。一方で、キャンターはドイツのダイムラー社の技術を取り入れた高性能なエンジンや安全装備を搭載しており、独自の魅力を持っています。
販売台数の面では、新型キャンターは安定した需要を維持していますが、具体的な販売台数のデータは公開されていません。親会社であるダイムラートラック社の2023年のグローバル販売台数は1%増の526,053台で、そのうちトラックアジア事業部門は3%増の161,171台を占めています。この中にはキャンターも含まれていますが、単体での販売数は不明です。ただし、インドネシア市場では小型トラック市場で41.1%のシェアを獲得しており、一定の人気を維持しています。
また、維持費の高さやDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)関連のトラブルが影響している可能性が指摘されています。DPFの詰まりや警告灯の点灯などが報告されており、特に短距離走行が多い場合にはメンテナンスが必要になるケースがあります。これにより、メンテナンスのしやすさが求められる長距離輸送業者が「エルフ」や「デュトロ」を選ぶ傾向があると考えられます。
しかし、新型キャンターはボディバリエーションが豊富で、積載量や用途に応じた選択肢が多い点が評価されています。また、最新の安全装備が標準搭載されているため、安全性を重視するユーザーには好評です。運転席の視界の広さやシートの快適性、運転のしやすさも評価されていますが、一方で短距離走行時の燃費の悪化を指摘する声もあります。
今後の売れ行きは、メンテナンスコストの改善や、新たなモデルチェンジによる改良が鍵を握るでしょう。市場の動向を踏まえながら、自社の用途に合ったトラックを選ぶことが重要です。
新型キャンターの悪いところを徹底解説

●NEWキャンターの前期型と後期型の違いとは?
●新型キャンターの値段はいくら?コストパフォーマンスを検証
●4P10+の馬力は十分?エンジン性能をチェック
●キャンターは満タンで何キロ走る?燃費性能を解説
●メンテナンス費用は?維持コストをシミュレーション
NEWキャンターの前期型と後期型の違いとは?

NEWキャンターは、1993年(平成5年)にフルモデルチェンジされ、その後、1997年(平成9年)と1999年(平成11年)にマイナーチェンジが行われました。これらの変更により、前期型と後期型に分かれ、デザインや仕様、機能面でいくつかの違いが見られます。ここでは、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。
まず、外観デザインの変更が挙げられます。前期型では、フロントグリルとヘッドライト下のウインカーランプが特徴的でした。しかし、後期型ではこれらが新しくデザインされ、よりモダンな印象へと進化しました。特に、ヘッドライトの形状がシャープになり、夜間の視認性が向上しています。また、ウインカーランプの配置も変更され、より視認性が良くなるように調整されました。この変更により、見た目の印象だけでなく、機能面でも改善が図られています。
次に、搭載されるエンジンや排ガス規制対応の違いもポイントです。後期型では、排出ガス規制への対応が強化され、環境性能が向上しています。特に、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)や尿素SCRシステムの導入により、有害物質の排出が大幅に抑制されています。一方で、これらの装置は定期的なメンテナンスが必要となり、メンテナンスコストが増加する要因にもなっています。
また、後期型ではトランスミッションの改良も行われています。前期型では従来のMT(マニュアルトランスミッション)が主流でしたが、後期型ではデュアルクラッチ式AMT「DUONIC(デュオニック)」が採用され、変速のスムーズさが向上しました。これにより、燃費性能の向上や運転のしやすさが実現しましたが、一部のユーザーからは「発進時に違和感がある」「低速時の挙動が不安定」といった声も聞かれます。
このように、NEWキャンターの前期型と後期型では、デザイン、エンジンの排ガス対応、トランスミッションの改良など、さまざまな点で違いがあります。特に、環境規制への対応や燃費性能の向上は後期型の大きな強みですが、維持費やメンテナンスの負担が増えることを考慮する必要があります。購入を検討する際は、これらの違いを理解し、自分の用途に合ったモデルを選ぶことが重要です。
新型キャンターの値段はいくら?コストパフォーマンスを検証

新型キャンターの購入を検討する際、価格は非常に重要なポイントになります。トラックは一般的な乗用車とは異なり、業務用途で使用されることが多いため、コストパフォーマンスの良し悪しがビジネスの収益にも直結します。ここでは、新型キャンターの価格帯と、それに見合う性能や維持費について詳しく見ていきます。
まず、新車価格についてですが、新型キャンターの価格は652万円(税込)からが目安となります。これはグレードや仕様、ボディタイプによって大きく変動し、例えば標準キャブのシンプルな仕様であれば比較的低価格で購入できますが、ワイドキャブや冷凍車、ダンプ仕様など特定用途向けのモデルになると価格が上昇します。また、オプション装備を追加するとさらに高額になるため、予算に応じた選択が求められます。
次に、維持費の観点からコストパフォーマンスを考えてみましょう。新型キャンターは最新の排ガス規制に対応しており、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)や尿素SCRシステムを搭載しています。これにより環境性能は向上していますが、定期的なメンテナンスや部品交換が必要となるため、長期間の運用ではランニングコストがかかることも考慮する必要があります。特に、都市部などで短距離走行が多い場合、DPFの詰まりが発生しやすく、清掃や交換の頻度が増える可能性があります。
また、燃費についても重要なポイントです。キャンターは「DUONIC 2.0」というデュアルクラッチ式AMTを採用しており、燃費性能が向上しています。ユーザーからの報告によると、実際の燃費は7.80~13.20km/Lの範囲で、平均すると約10.94km/Lとされています。ただし、積載量や走行環境によって燃費は大きく変動するため、使用条件を考慮した燃料コストのシミュレーションが必要です。
総合的に見ると、新型キャンターの価格は他の小型トラックと同程度ですが、最新技術を搭載している分、維持費がやや高くなる傾向があります。そのため、初期費用だけでなく、長期的なコストも考慮した上で購入を検討することが重要です。
4P10+の馬力は十分?エンジン性能をチェック

新型キャンターに搭載されている「4P10+」エンジンは、現行モデルの心臓部とも言える重要なパーツです。特に、トラックに求められるのは、単なるスピードではなく、荷物を積載した状態での安定した走行性能や燃費性能です。ここでは、4P10+エンジンの馬力や性能について詳しくチェックしていきます。
4P10+エンジンには、4つのバリエーションがあり、用途に応じて異なる出力が設定されています。具体的には、以下のようなスペックとなっています。
●1.5トンクラス用(4P10+ T1型): 81kW(110PS)/2,130rpm、430N·m(43.8kgf·m)/1,600rpm
●2トンクラス用(4P10+ T2型): 96kW(130PS)/2,130rpm、430N·m(43.8kgf·m)/1,600~2,130rpm
●2~4トンクラス用(4P10+ T4型): 110kW(150PS)/2,440rpm、430N·m(43.8kgf·m)/1,600~2,440rpm
●3.5トンクラス以上用(4P10+ T6型): 129kW(175PS)/2,860rpm、430N·m(43.8kgf·m)/1,600~2,860rpm
このように、トラックの積載量に応じて異なる出力が設定されており、用途に合わせて適切なエンジンを選ぶことができます。特に、2~4トンモデルに搭載される「4P10+ T4型」は、150PSという十分な出力を持ち、一般的な運送業務には適しています。また、最大トルクが広い回転域で発生するため、坂道発進や長距離輸送時にもストレスの少ない運転が可能です。
一方で、過去のモデルと比較すると、4P10+エンジンは環境性能を重視した設計となっており、燃費性能が向上している反面、メンテナンスがやや複雑になっている点は注意が必要です。特に、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)や尿素SCRの管理を怠ると、エンジン性能が低下し、燃費が悪化するリスクがあります。そのため、適切なメンテナンスが求められます。
総じて、4P10+エンジンは、馬力・トルクともに十分な性能を持っています。ただし、使用用途によって最適なモデルを選ぶことが重要であり、メンテナンスの負担も考慮しながら運用することが求められます。
キャンターは満タンで何キロ走る?燃費性能を解説

キャンターの燃費性能は、車両の仕様や積載量、走行環境によって異なりますが、一般的には7.8~13.2km/L程度が目安とされています。これは競合するいすゞ「エルフ」や日野「デュトロ」と同程度の水準ですが、トランスミッションの違いや運転方法によって燃費効率が変わることもあります。ここでは、新型キャンターの燃費性能や満タン時の航続距離について詳しく解説します。
まず、キャンターの燃料タンク容量ですが、車種や仕様によって異なり、70L~100Lのタンクを搭載しています。これを踏まえて、満タン時の航続距離を計算すると、次のようになります。
タンク70L × 燃費7.8km/L = 約546km
タンク70L × 燃費13.2km/L = 約924km
タンク100L × 燃費7.8km/L = 約780km
タンク100L × 燃費13.2km/L = 約1,320km
このように、燃費が7.8km/Lの場合は約546~780km、燃費が13.2km/Lであれば約924~1,320kmの航続距離となります。実際には、都市部でのストップ&ゴーが多い場合や、頻繁にエアコンを使用する場合は燃費が悪化し、航続距離は短くなります。一方で、高速道路を一定の速度で走る場合や、エコドライブを心がけた運転をすれば、燃費性能を最大限に引き出すことが可能です。
また、キャンターにはデュアルクラッチ式の「DUONIC 2.0」トランスミッションが採用されており、燃費向上に貢献しています。従来のマニュアル車に比べると、変速のスムーズさが向上し、エネルギーロスを抑えた走行が可能です。ただし、発進時や低速域での挙動にはクセがあり、アクセルの踏み込み方によっては燃費が悪化することもあります。そのため、急発進や急加速を避け、スムーズな運転を心がけることが重要です。
さらに、新型キャンターでは、エコモードやアイドリングストップ機能を搭載したモデルもあり、これらを活用することでさらなる燃費向上が期待できます。特に、長距離走行が多い事業者にとっては、燃費の改善が大きなコスト削減につながるため、運転方法や車両管理を工夫することがポイントとなります。
このように、キャンターの満タン時の走行距離は使用環境によって変動するものの、燃費を意識した運転を行うことでより効率的に走行することが可能です。燃料コストを抑えながら長距離移動を行うためには、適切なアクセルワークやエコドライブの実践がカギとなります。
メンテナンス費用は?維持コストをシミュレーション

キャンターの維持費は、使用状況やメンテナンスの頻度によって異なりますが、一般的に年間50万円~100万円程度を見積もっておくのが良いでしょう。特に、業務用として使用する場合は、定期点検や消耗品の交換を怠ると、故障リスクが高まり、結果的に修理費用がかさむことになります。ここでは、主要なメンテナンス項目ごとの費用を詳しくシミュレーションしていきます。
定期点検・車検費用
キャンターは商用車であるため、1年ごとの車検が義務付けられています。車検費用は15万円~25万円程度が目安で、これは法定費用や点検整備費用を含めた金額です。特に、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)やブレーキ系統の点検・交換が必要になると、さらにコストが増加する可能性があります。
エンジンオイル・フィルター交換
エンジンオイルの交換は、5,000km~10,000kmごとに推奨されており、交換費用は5,000円~1万円程度です。フィルター交換を含めると、1回の交換につき1万円~2万円がかかることもあります。年間の走行距離が多い場合は、この費用も積み重なっていくため、定期的な管理が重要です。
DPF・尿素SCRシステムの維持費
新型キャンターは最新の排ガス規制に対応するため、DPFや尿素SCRシステムを搭載しています。DPFは短距離走行が多いと詰まりやすくなり、清掃や交換が必要になります。DPFの清掃費用は3万円~5万円程度ですが、交換となると10万円以上かかることもあります。また、尿素SCRシステムを使用する場合は、尿素水の補充が必要であり、これは年間2万円~3万円程度のコストがかかると見積もられます。
タイヤ・ブレーキパッドの交換
キャンターのタイヤは1本あたり2万円~4万円程度で、4本交換すると8万円~16万円程度の費用が発生します。一般的に、5万km前後での交換が推奨されるため、年間の走行距離が長い場合は、それなりのコストを見積もっておく必要があります。また、ブレーキパッドの交換も2万円~5万円程度かかるため、消耗品の費用はトラックの運用において無視できない要素となります。
その他の故障・修理費用
キャンターはエンジンやトランスミッションが高性能である反面、電子制御部分の故障リスクがあると指摘されています。特に、「DUONIC 2.0」のトランスミッションは、クラッチの消耗やセンサーの不具合が発生することがあり、修理費用が10万円~30万円に及ぶこともあります。また、電装系(バッテリーやセンサー類)の修理も数万円~10万円程度の出費になることがあります。
年間の維持コストまとめ
各費用をまとめると、年間の維持コストは以下のようになります。
メンテナンス項目 | 年間予想コスト |
---|---|
車検・定期点検 | 15万円~25万円 |
エンジンオイル・フィルター交換 | 3万円~5万円 |
DPF・尿素SCR関連 | 3万円~10万円 |
タイヤ・ブレーキ交換 | 10万円~20万円 |
その他の故障修理 | 10万円~30万円 |
合計 | 50万円~100万円 |
このように、キャンターのメンテナンス費用は年間で50万円以上かかることが一般的です。これを抑えるためには、定期的な点検を行い、故障を未然に防ぐことが重要です。また、運転方法を工夫することで部品の消耗を抑え、結果的にコスト削減につなげることも可能です。長期的に安定した運用を目指すために、適切なメンテナンス計画を立てることをおすすめします。
新型キャンターの悪いところとは?購入前に知っておくべき注意点のまとめ
記事のポイントをまとめます。
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