日野【レンジャー】メーターに尿素SCRシステム異常が表示されたので、NOxセンサーを交換した修理をご紹介します。
メーターにチェックランプが点灯すると、どうしたらいいのか心配になりますよね。
ましてや、システム異常が表示されたら走行していいかも分かりません。
今回の状況でしたら、車屋さんまでの自走は可能です。
2KGの型式に変わってから、SCR触媒が付いてNOxセンサーの場所が変わり交換が容易になりました。2個付きに変更はありません。
日野のNOxセンサーは、以前からトラブルがすごく多いです。
チェックランプが消えるからといって放置しないで下さい。
とはいえ、トラックの修理費用ってすごく高いですよね。
自分で修理が出来るなら部品代だけで済みますが、無理は禁物です。
自分で修理が出来ない場合は、車屋さんに依頼して下さいね。
車屋さんにも修理の参考にして頂けたら嬉しいです。
整備士歴27年の私が、皆さんのお役に少しでも立てればと思いこの記事を書きました。
修理対象車両情報・依頼内容・修理費用
修理対象車両情報:日野 レンジャー 2KG-GC2ABA A05C H30/12 144700km
依頼内容:尿素の警告が表示されている
修理費用:90000円+税
依頼内容の修理費用は高いですか?それとも安いですか?
なぜ、このような金額になるのかを作業内容や修理方法を交えて解説していきたいと思います。
【動画】で見る【レンジャー】2KG 尿素SCRシステム異常⁈NOxセンサー交換!
まずは、動画から見て頂くと理解しやすいかと思います。
↓YouTubeの動画はこちら↓
動画はいかがでしたか?
それでは、画像でご説明していきますね。
車両故障診断
尿素の警告ランプが点灯しているという事で自走してご入庫されました。
エンジン始動中にメーターを確認すると、尿素SCRシステム異常(橙)が表示されています。
エンジンを再始動すると、尿素SCRシステム異常(橙)とエンジン系統異常(橙)の2個が交互に表示されます。
スキャンツール(診断機)で故障コードを確認します。
普段使用しているスキャンツール(診断機)
作業する上で必ず必要になるのがスキャンツール(診断機)ですね。これがなければ始まりません。
バッテリーを外して消去(出来るか分かりません)などはしない様にして下さい。
トラブルの原因になりますのでスキャンツールを使用しましょう。
GAMが使用しているのはG-SCN2でしたが、【G-SCN Z】を導入しました。
やはり、コード付の方が準備も早く充電の必要がないので一番のオススメです!!
↓イチオシ!今使用しているコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
車種により相性が良くない事もあるので、メーカー違いで【バンザイ MST-nano】も使用しています。
↓無線接続できるのでコードが気にならない↓
↑Windows OS搭載スキャンツール!OBD検査にも対応↑
両方使用した個人的な感想は、故障診断がメインなら断然コード付【G-SCN Z】がオススメです。
【バンザイ MST-nano】も無線で便利なのですが、準備に少し手間がかかるのとデータ表示にタイムラグがある為、GAMの所では故障診断にも使いますが主にOBD検査時に使用する予定です。
2KGレンジャー【OBDコネクター位置】
2KGレンジャーのOBDコネクタ位置は、このようになっています。
ステアリングシャフト右側にあります。
ここにスキャンツール(診断機)のカプラーをOBDコネクタにつなぎます。
故障コードの確認
スキャンツール(診断機)を使用して故障コードを確認します。
まずは、エンジンから見てみます。
P204F【尿素SCRシステムの故障】
DCU(Dosing Control Unit)より尿素SCRシステムの異常を受信した時に記録されます。
次は、尿素SCRを見てみます。
P2203【NOxセンサー1(上流)故障(High)】
CANデータからNOxセンサー1(SCR 上流)の故障を受信した時に記録されます。
P068A【メインリレー故障】
ROM データの読み込みエラーを検出すると記録されます。
※参考…DCUのシャットダウン中にバッテリースイッチを「OFF」にしたり、バッテリー端子を外すと、故障コード(P068A)を検出する場合があるようですね。
故障コードは、すべて尿素SCR系ですね。
作業内容・修理方法・原因
一度、故障コードを消去します。
消去する時は、出ていた故障コードを写真やメモなどに記録してから消去してください。
どうしてもダメな時、メーカーさんに問い合わせする時に役立ちますので必ず記録します。
とりあえず、すべての故障コードは消えました。
エンジンを再始動しても、故障コードは出ていません。
ここで、DPR強制再生をして故障コードが出なければ様子をみるのもありかも…。
原因
故障コードから見て、NOxセンサー上流の故障で間違いないと思います。
日野のNOxセンサーは、特にトラブルの多い部品なのでエラーが出ているなら交換が必須です。
2KGレンジャー【NOxセンサー】場所
それでは、NOxセンサーの場所を見ていきましょう。
これは、部品屋さんから貰った部品図です。
赤丸の部分が、NOxセンサー上流になります。
次は、実際の車両で見ていきましょう。
今回交換するのが、上側のNOxセンサー上流です。
それでは、NOxセンサーを取外します。
NOxセンサー取外し
NOxセンサー上流・NOxセンサー下流ともに見えているので比較的簡単に取外しできると思います。
今回、交換するのはNOxセンサー上流になります。
●右側、長赤丸の上流NOxコントローラーの6mmナットを2個取り外す。
●赤矢印の8mmナットを3個取り外す。
●左赤丸の上流NOxセンサーを取外す。
●上流NOxコントローラーに接続されているコネクターを取外す。
NOxコントローラーに刺さっているコネクターです。
親指でこのように押して、ロックを解除して取外します。
NOxセンサー上流の取外しできました。
↓GAMがよく使用する工具はこちら↓
↑アストロプロダクツ:22mmクローフットレンチ↑
↓メーカー推奨工具はこちら↓
↑コーケン:22mm O2センサーソケット↑
今回は、カジる事なくスムーズに取り外し出来ました。
中には、固着やカジって簡単に外れない物もあります。
そんな時は、取外す前にナット側(マフラー)をガスで炙ってから水で冷却、あとは潤滑剤を塗ってから取外します。こうする事で、カジらずスムーズにセンサーを取外す事ができます。
センサーを外す時に固かったら、必ず専用ダイスでネジ山を修正してからセンサーを取付けて下さい。
↓これ使えます!O2センサー専用タップ↓
↑持ってて安心!ネジ山の掃除にも使えます↑
※修正せずに取付けすると、新品部品のネジ山を破損させる恐れがあります。
こちらが取外したNOxセンサー上流になります。
裏面に品番89463-E0410と書いています。
新品NOxセンサー
これが、新品NOxセンサーです。
上流NOxセンサー、下流NOxセンサーともに同じ物が付いています。
純正部品番号です。
【NOxセンサー】純正部品番号:89463-E0410 定価70000円
↓【NOxセンサー】優良部品↓
↑純正部品の約1/2価格です↑
新品のNOxセンサーに配線を固定するクランプを付け替えます。
マフラーに上流NOxセンサーを取付けします。
締付けトルク:50±10N.m(510±102kgf.cm)
取外した部品を元通りに復元出来れば、上流NOxセンサー交換完了になります。
DPR強制再生
NOxセンサー交換後は、DPR強制再生をします。
まず、作業サポートからDPRステータスでマフラーの状態を確認します。
次に、DPRステータスデータをリセットします。
リセット完了したら、作業サポートのDPR強制再生で再生を行います。
DPR強制再生中です。
DPR強制再生が正常に終了しました。
次に、差圧チェックを行います。
差圧も正常範囲内です。
最終、スキャンツールで故障コードの確認をしても問題ありませんでした。
これですべての作業が完了になります。お疲れさまでした。
この記事を参考に作業する上での注意点
この記事は、整備書にない手順・方法や私自身のオリジナル修理・整備方法なども書いておりますので作業される場合はすべて自己責任なりますので注意してください。
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最後におさらいとして、もう一度見て頂くとさらに理解出来ると思います。
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🚚日野【レンジャー】2KG🚛
— GAM🛠整備士×ブログ× YouTube (@gam_brain_com) May 6, 2024
⚠️【尿素SCRシステム異常】
故障コードは P204FとP2203💻
🛠️NOxセンサー交換しました👍
を動画🎥と記事📝にしました✨
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参考修理費用・部品価格
部品価格:NOxセンサー 70000円
部品価格:合計 70000円
作業工賃:故障診断・診断機使用 8000円
NOxセンサー交換 12000円
作業工賃:合計 20000円
参考価格:部品価格+作業工賃=合計 90000円+税です。
今回紹介した工具・用品のまとめ
↓イチオシ!今使用しているコンピュター診断機↓
↑値段は高いですが自動車修理には必須品です↑
↓無線接続できるのでコードが気にならない↓
↑Windows OS搭載スキャンツール!OBD検査にも対応↑
↓今回、使用した工具になります↓
↓これ使えます!O2センサー専用タップ↓
↑持ってて安心!ネジ山の掃除にも使えます↑
↓GAMがよく使用する工具はこちら↓
↑アストロプロダクツ:22mmクローフットレンチ↑
↓メーカー推奨工具はこちら↓
↑コーケン:22mm O2センサーソケット↑
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↑9.5sqでいつものソケットが使えます↑
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↑9.5sqで私が大好きなアストロさんのおすすめ工具です↑
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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