「クルーズコントロール」という言葉を聞いて、「なんとなく便利そうだけど、実際はどんな機能なの?」と疑問に思ったことはありませんか?
そんな初心者の方に向けて、クルーズコントロールとレーダークルーズコントロールの違いや使い方をわかりやすく解説していきます。
トヨタのレーダークルーズコントロール搭載車では、高速道路の長距離運転や渋滞時にとても便利な機能が標準装備されていることが多くなりました。ですが、トヨタのクルーズコントロールがうまく使えないと感じる方や、解除の方法がわからず戸惑う方も少なくありません。
この記事では、クルーズコントロールとレーダークルーズコントロールの違いはもちろん、トヨタの代表的な搭載車種、使い方の流れ、渋滞時の挙動、そしてよくあるトラブルやその対処法まで、実践的な内容を盛り込みながら詳しくご紹介していきます。
初めて使う方でも安心して理解できるよう、専門用語にはやさしい解説を添えてお届けしますので、ぜひ最後まで読んで活用の参考にしてみてください。
- クルーズコントロールとレーダークルーズの違い
- レーダークルーズの仕組みと使い方
- トヨタ車での搭載状況や対象車種
- 渋滞時や高速道路での活用シーン
クルーズコントロールとは?(基本の仕組みとメリット)

クルーズコントロール(Cruise Control)とは、車がドライバーの代わりにアクセル操作を行い、設定した車速を自動で維持する機能です。
高速道路などで一度速度をセットすれば、自動的にその速度を保って走行できるため、アクセルペダルを踏み続ける必要がなくなります。
一定速度を保つことでドライバーの疲労軽減に大きく役立ち、長距離ドライブが楽になるメリットがあります。また、速度のムラが減るため燃費向上につながる場合もあります。
JAF(日本自動車連盟)の実験では、ACC使用により燃費が最大約12%改善したと報告されています。さらに、一定の速度を保てるため意図せずスピードを出し過ぎるのを防ぎ、速度超過の抑制にも役立ちます。
JAFユーザーテスト(JAF Mate2014年6月号掲載)では、高速道路でACCを使用した場合と、ACCを使用しない場合で燃費数値を比較測定した結果、ACCを使用すると最大で12%も燃費数値が向上する結果となりました。
JAF公式:ACC(車間距離制御装置)と燃費数値
ただし基本的なクルーズコントロールは、あくまで設定した速度を保つだけの装置です。先行車との距離(車間距離)を自動調整する機能はありません。
そのため、前を走る車が減速した場合は、ドライバーが自分でブレーキを踏んで追従を中止する必要があります。
言い換えると、通常のクルーズコントロールは高速道路など車間距離が十分に保てる状況で威力を発揮しますが、交通量が多い状況や渋滞では効果を発揮しにくいです。
トヨタのクルーズコントロール機能も基本的な仕組みは同様で、高速巡航時のドライバー支援として搭載されています。
レーダークルーズコントロールとは?(通常のクルコンとの違い)

レーダークルーズコントロールとは、前方の車をセンサーで検知しながら車速を自動調整し、常に適切な車間距離を保ちながら追従走行できるようにした高度なクルーズコントロール機能です。
トヨタでは、自社のアダプティブクルーズコントロール(ACC)を「レーダークルーズコントロール」という名称で呼んでおり、車種によっては全車速追従機能付きタイプと一定速度以上から作動するタイプがあります。
通常のクルーズコントロール(定速走行機能)が車速維持のみを行うのに対し、レーダークルーズコントロールはミリ波レーダーやカメラセンサーを用いて先行車との距離を測り、必要に応じて自動で減速・加速を行います。
これにより、ドライバーがアクセルやブレーキを操作しなくても、設定した速度を上限に安全な車間距離を保って走行できるのです。
具体的には、先行車がいればその車に合わせて減速し、車間が開けば自動的に設定速度まで再加速します。たとえば高速道路で100km/hに設定している場合、前に遅い車がいれば車間を詰めすぎないよう速度を落とし、車線変更等で前方が空けば再び100km/hまで加速する、といった動作を車が自動で行ってくれます。
これがクルーズコントロールとレーダークルーズコントロールの違いで、後者ではドライバーの負担軽減効果がさらに高く、安全面でも追突防止に寄与するという利点があります。
特に渋滞時のノロノロ運転では、全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロール搭載車であれば、アクセル・ブレーキ操作が自動化されるため、疲労軽減が大きく期待できます。なお、一部の旧型では一定速度以上でのみ作動するタイプもあるため、仕様を確認しておきましょう。
トヨタ車での搭載状況と代表車種の例

現在、トヨタの新型車の多くにはレーダークルーズコントロールが標準搭載されており、搭載車種は年々増えています。
最近の傾向として、高速道路の渋滞でも使える全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロールが主流になっています。代表的なトヨタ レーダークルーズコントロール搭載車としては、以下のような車種が挙げられます。
- セダン/ハイブリッド: プリウス、カムリ(全グレード標準搭載)
- コンパクトカー: アクア(全グレード標準)、ヤリス(1.0L車を除き多くのグレードで標準装備)
- SUV: RAV4、ハリアー、ヤリスクロス(いずれも全グレード標準)
- ミニバン: アルファード/ヴェルファイア、ヴォクシー/ノア、シエンタ(現行モデルでは全グレード標準搭載)
(引用:ACCクルーズコントロール情報館)
上記のように、軽自動車を除くほとんどのジャンルでトヨタ車のクルーズコントロール(特にレーダークルーズ)が採用されています。
特にトヨタのハイブリッド車や高級車では早くから搭載が進み、現在では大衆車クラスまで広がっています。
逆に、少し前のモデルやグレードによってはレーダークルーズコントロール非搭載の場合もあり、そうした車では一般的な定速式クルーズコントロールのみ搭載、あるいはクルーズ機能自体が付かないこともあります。購入時には自分の車のグレードに該当機能があるか確認しておきましょう。
使い方の流れ(実際の操作ステップ)

次に、トヨタのレーダークルーズコントロールの使い方を具体的なステップで説明します。操作自体はシンプルですが、車種によりスイッチ形状が多少異なるため、基本的な流れを押さえておきましょう。
メインスイッチをON

ハンドルのクルーズ用スイッチを押してクルーズ機能を起動します。
多くのトヨタ車では「ON/OFF」ボタンを押すとクルコン待機状態(メーターに「RADAR READY」等表示)になります。
速度をセット(SET)する
希望の速度まで加速したら、SETボタン(レバー式はレバーを下)を押して現在の速度を記憶させます。
これでクルーズコントロールが作動し、アクセルから足を離しても設定速度が維持されます。
車間距離を設定(レーダークルーズの場合)

レーダークルーズコントロール搭載車では、SET後に車間距離ボタンで先行車との距離を調整できます。
多くのトヨタ車では「遠い・中間・近い」の3段階(新型車は4段階)で設定可能です。
状況に応じて車間距離を選びますが、不安なうちは長め(遠め)の設定がおすすめです。
巡航中の操作

設定後は車が自動で加減速してくれるので、基本的にハンドル操作に集中します。
速度を上げたい時はRES/+ボタン(またはレバー上)で設定速度を上げ、逆に下げたい時はSET/-ボタン(レバー下)を押すことで調整可能です。
先行車がいない場合は設定速度を上限に走行し、前に車がいれば設定車間距離を保って自動追従します。
一時停止と再開

途中で一時停止したい時はCANCELボタンを押すかブレーキを踏みます。
再開したい時はRES(リジューム)ボタンを押せば設定速度で巡航を再開できます。
以上がトヨタ レーダークルーズコントロールの使い方の基本的な流れです。実際の車ではメーターパネルに作動状態(例えば「SET」速度や車間距離のアイコン)が表示されますので、確認しながら操作しましょう。最初は、交通量の少ない高速道路で操作に慣れてみると良いでしょう。
渋滞時の挙動や便利さ

レーダークルーズコントロールは渋滞時にこそ真価を発揮します。
トヨタ レーダークルーズコントロール搭載車であれば、低速走行から停止まで自動で追従してくれる全車速追従機能に対応しているケースが多く、渋滞中もアクセル・ブレーキの操作を車に任せられます。
先行車が完全に停止した場合は自車も自動停止し、短時間の停止なら先行車の発進に合わせて自動で追従再開するか、あるいはアクセルを軽く踏むだけで再発進できます。
これにより、ドライバーは渋滞のノロノロ運転で頻繁にアクセル・ブレーキを踏み替えるストレスから解放されます。
たとえば高速道路で渋滞に巻き込まれ、ノロノロ運転が続く場合でも、レーダークルーズコントロールをONにしておけば前車に合わせた発進・停止を車が行ってくれます。
頻繁なアクセル・ブレーキの踏み替えから解放され、足の疲れや煩わしさが大幅に軽減されます。
なお、完全停止が長引くと自動追従が待機状態になる場合があるため、その際はアクセルを踏むかRESボタンを押して追従を再開してください。
もちろん、レーダークルーズコントロール作動中でもドライバーは常に周囲の状況に注意を払いましょう。特に渋滞中は割り込み車両など予測困難な動きも多いため、万が一に備えていつでも自分でブレーキを踏めるようにしておく必要があります。
使えないときのチェックポイント(よくある原因)

「トヨタのクルーズコントロールが使えない」と感じる場合、いくつか確認すべきポイントがあります。クルーズコントロールが作動しない典型的な原因をチェックしてみましょう。
設定手順の未完了
前述のように、メインスイッチを入れただけではクルーズは開始しません。
必ず走行中にSET操作を行って速度設定する必要があります。
初めて使う方は、この操作不足が原因で「使えない」と思ってしまうケースが特に多いです。
作動可能な速度域に達していない
クルーズコントロールには最低作動速度が設定されています。
多くのトヨタ車では約40km/h以上でないとセットできません(※全車速追従タイプのACCでは、先行車がいれば0km/hからでも追従走行が可能ですが、停止状態からの再発進時にはアクセル操作が必要な場合があります)。
一般道の低速域や発進直後などでは、システムが受け付けない場合があります。
システムがOFFまたは自動解除中
何らかの理由でクルーズコントロールがキャンセル状態になっていないか確認します。
例えばブレーキを踏んだり、滑りやすい路面でTRC(トラクションコントロール)が作動すると、自動的に解除されることがあります。
メーターパネルの表示灯(クルコンのアイコン点灯状況)をチェックしましょう。
センサーの不良・汚れ(レーダークルーズの場合)
レーダークルーズコントロールが動作しない場合、前方のミリ波レーダーやカメラに異常がある可能性も考えられます。
センサー部分の汚れや大雪、濃霧、強い逆光などの悪天候・環境条件により検知できない場合、システムが一時的に使用不可となることがあります。
このような際には警告表示が出るため、一度車を停止させてセンサーを確認してください。
車両装備の有無
そもそも自分の車にクルーズコントロール(またはレーダークルーズ)が搭載されているか再確認しましょう。
中古車ではグレードによってクルーズコントロール自体が付いていないケースもあります。
当然ながら未搭載の場合は使用できません。その場合は後付けキットの検討や、機能付きの車種・グレードへの買い替えが必要になります。
解除方法と注意点

レーダークルーズコントロールの解除方法は基本的に2通りあります。
ひとつはブレーキペダルを踏む方法、もうひとつはハンドル上のキャンセル(CANCEL)ボタンを押す方法です。
いずれも即座にクルーズ制御が解除され、ドライバーの手動運転に切り替わります。
また、システム自体を完全にオフにしたい場合はクルーズコントロールのメインスイッチを再度押してOFF状態にします(インジケーターランプが消灯します)。
解除時の注意点として、クルーズ制御が切れるとエンジンブレーキが弱まり、惰性で走行し始めます。
減速が必要な場合は確実にブレーキを踏んで速度調整を行ってください。
また、クルーズ中はアクセル操作をシステムに任せている分、ドライバーの意識が速度感覚から離れがちです。
解除後に自分でアクセルを踏みなおすのを忘れると減速し続けてしまう恐れがあるため、切り替え時は車の挙動に注意しましょう。
便利な機能ですが過信は禁物です。悪天候や急な割り込みなどでは正しく作動しない恐れもあるため、いつでも自分でブレーキを踏めるよう備えておきましょう。
特に大雨・凍結路、急カーブが連続する道路などでは使用を控えるか慎重に判断してください。
どんな人におすすめか?

ここまで、トヨタ車に搭載されているクルーズコントロールとレーダークルーズコントロールについて、仕組みや使い方、メリット・注意点を解説してきました。
最後に、これらの機能がどんな人におすすめかをまとめます。
まず、高速道路を頻繁に利用する方には強くおすすめできます。長距離巡航でアクセルを踏み続ける負担が減り、疲労軽減や安全運転につながるからです。特に渋滞が多い環境ではレーダークルーズコントロールの恩恵が大きいでしょう。
また、アクセルワークに不慣れな初心者ドライバーにも有用です。クルーズコントロールを活用すれば速度超過を防ぎやすくなり、落ち着いて運転できます。ただし機能に頼りすぎず、まずは通常の運転に慣れてから使うようにしましょう。
逆に、市街地メインで高速道路をほとんど走らない方にとっては出番が少ない機能かもしれません。信号や交差点が多い環境では設定速度を維持できず、メリットを感じにくいためです。
総じて、トヨタのクルーズコントロール/レーダークルーズコントロールは高速巡航や長距離ドライブを快適にしたい人におすすめの機能です。
最近のトヨタ車では当たり前のように搭載されている便利な装備ですので、初心者ドライバーの方も怖がらずに一度使い方を覚えてみると良いでしょう。
適切に使えば安全性と快適性が向上し、ドライブがより楽しいものになるはずです。
レーダークルーズコントロールの魅力と注意点の総括
記事のポイントをまとめます。
クルーズコントロール非搭載車におすすめの後付け製品は?
もしお乗りの車にクルーズコントロールやレーダークルーズが付いていない場合でも、社外品の後付け装置を使えば、似たような便利機能を追加することが可能です。
とくに定番で信頼性の高いメーカーがこちら↓
Pivot(ピボット)3-driveシリーズ
- 製品例:Pivot 3-drive・α(アルファ)や3-drive・PRO
- アクセル信号を制御して、一定速度を保つオートクルーズ機能を実現。
- スロコン(スロットルコントローラー)としても使えるため、加速レスポンスの調整も可能。
- 取り付けはOBD接続+車種別専用ハーネスを使えば比較的簡単。
- 対応車種も幅広く、ハイエースやプリウス、軽自動車など多くの車に適合。
【補足】
オートクルーズは「定速走行」の機能で、レーダークルーズのように前車との自動追従まではできませんが、長距離運転の疲労軽減には十分効果的です。
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- 車種専用キットの精度も高く、安心して使える製品。
導入前の注意点
- 後付け製品は車種ごとの適合確認が必須です。年式・型式・電子スロットルの有無などにより対応が異なります。
- 取り付けはDIYも可能ですが、配線やアクセル信号の理解が必要なため、不安な方は整備工場やカー用品店への依頼がおすすめです。
- レーダー機能や自動停止追従は付かないため、あくまで定速オートクルーズと認識しましょう。
非搭載車でも、工夫次第でドライブがもっと快適になります。 PivotやBLITZなど信頼できるメーカーの後付け製品を活用して、安全&快適なロングドライブを楽しんでみてください!





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